雨がダンスのように
また雨が降っている。
かなり強い雨で、僕は車で娘を待っている。
雨がやまないと娘は濡れてしまう。
けれど止む気配はまるでない。
むしろ、景気よく強くなっていく。
雨はダンスを踊っている。
激しいダンスを踊る雨は、休息を取ることなく、踊り続ける。
つられて踊り出すのは人か、獣か、ビルディングか、雲か、風か。
それら全てが今は踊り出す。
雨に触れたもの、全てが踊り出して止まらない。
雨の体力は計り知れない。
踊り疲れることがない。
つられたら最後、死ぬまで踊り続けることになる。
しまった、と思ってももう遅い。
雨はしたり顔で踊り続ける。
行列となって、雨に降られながら、僕らは永遠に踊るのだ。
という夢を見た。
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