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今日の気付き。

 職場に職業体験の中学生がくる予定だったが、いまだ続くコロナウイルスの影響により来ることができなくなった。
 その代わりに、職場の方に質問シートが送られ、それに回答する形で職業体験を終わりとするらしい。
 質問の内容は、「仕事のやりがい」や「どうしてこの職業を選んだのか」などよく聞かれるものが続いた。そんな中、「進学や就職に関するアドバイスをください」といった項目があった。

 小さい頃から「将来の夢は?」とか「こういう道を進んだ方がいい」といった人生の指標などを大人たちに話されてきた。

 しかし、子どもながらに、というより、子どもだからこそ「なんでそんなことしなければいけないの?」と思ってしまう。そして、大人になった時に「あの時言っていたことはこういうことだったのか」と気付くのである。

 だからこそ、将来のアドバイスこそ難しいものはないと考えている。なんと伝えたら子どもたちは理解してくれるのか。

 そんなことを考える中、今日の仕事の休憩中に気付きがあった。
発達心理学にある「サリーとアンの課題」だ。
①サリーとアンがお部屋にいます。
②サリーは大好きな人形を籠の中に入れました。
③サリーは部屋から出ていきました。
④アンは籠の中から人形を箱の中に移しました。
⑤サリーが部屋に戻ってきました。
Q1.人形はどこにありますか?
Q2.人形で遊びたいサリーはどこを探しますか?
といった問題だ。

Q1の回答は「箱の中」と理解できるが、Q2の答えが「籠の中」であるのに対し「箱の中」と回答してしまう、というものである。

これは、まだ発達の段階でサリー(相手)の視点を獲得することができていないことを表す。

 それとは逆に、成長するにつれて相手の視点や気持ちなどは理解することができるはずなのだが、大人になると、子どもの頃の視点が失われてしまっている気がする。

 そのために、「将来はこうすればいいよ」などと簡単にアドバイスすることができないでいた。自分の経験論や知見をひけらかすことがその子の人生に適合する保証などどこにもないのだから。

 まとまらない話をしてしまったが、「大人だから」と驕らずに子ども心を知った気にならずに、もう一度真剣に子どもたちと対話したい。

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