(気の滅入らない)有木誠の癌闘病日記83(絹と木綿と麻)

人類が手にした「繊維」は、絹と綿と麻だ。
歴史的には、最初は麻で、少し時代が下がり木綿と絹が登場する。
全世界がその順番かどうか知らないけど、少なくとも日本列島では、そうだった。

その中で、絹は別格のあつかいを受けて来た。
その滑らかさ、光沢、繊細さは、見ただけで、他との違いを納得させる。

食べ物の世界でも、この区別は例えられる。
「絹豆腐」と「木綿豆腐」だ。
舌触りは、絹豆腐は滑らかで、
木綿豆腐はしっかりした食感がある。
実に納得いく例えだけど、
こちらは好みの問題で、絹の方が高級という訳では無い。

私の中ては、音楽の中でも同じように
絹、麻、木綿の区别がある。

キメ細かく高度で、そんじょそこらのアマチュアてはコピーも真似も出来そうもないサウンドを創り上げているアーティスト。
例えば、
マイケル・ジャクソン とか
スティービー・ワンダー 
は、「絹」だ。

親しみ易いサウンドだが、そこは長年磨き抜かれた職人の技を散りばめた味わい深いサウンドを創り上げているアーティスト
例えば
BB・キング とか
エリック・クラプトン 
は、上等な「木綿」だ。

荒削りで、シンプルだけど、思いっきりのいいストレートなサウンドが心地よく、涼やか。
そんなサウンドを創り上げているアーティスト
例えば
CCR とか
スティーブミラーバンド とか
ザ・バンド 
は、「麻」だ。

私は豆腐は木綿が好きなんです。
だから音楽でも、木綿か麻が好きなのであります。

最近の主流を占めるデジタルミュージック。
これは、高度で完成度も高いけど、どうも彫りが浅く、のっぺりしていて感動しない。
・・・「化繊」
だね。

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