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王権神授説とは?簡潔にまとめてみた

王権神授説とは?

結論:王の統治権は神から授けられたものであり、その権力は絶対だとする政治理論です

補足:王権神授説にて王権は神聖かつ不可侵であり、人民による反抗は認められない。当時の王は権力の正当化と拡大のためにこの理論を用いた。フィルマー⁽¹⁾、ボダン⁽²⁾、ボシュエ⁽³⁾などの代表的な提唱者がいる。

ジェームズ一世と王権神授説

エリザベス1世の後継人であり、イングランドとスコットランド、アイルランド3国の王であったジェームズは「自由なる君主国の真の法」という論文を著し、王権神授説を唱えた。

議会に耳を貸さなかったり、ピューリタンを弾圧するなどして議会と教会の両方から反感を買ったジェームズは、のちのピューリタン革命の要因を作った。

ジェームズの子どもであり後継者のチャールズ1世はジェームズ以上に絶対王政を推し進め、それに伴って財政支出が増加した。これに対して議会は「議会の同意なしに課税できないようにする」などの内容の請願書⁽⁴⁾を出す。

チャールズは諸々の理由を背景にしぶしぶ承諾することになるが、重臣であるバッキンガム公が暗殺されたことを契機に自分で政治を動かし始めて、議会と権利の請願を無視するようになる。このことは議会との軋轢を深め、ピューリタン革命につながっていく。


脚注

1. ロバート・フィルマー「王権の由来はアダムに神が与えた家族や子孫を支配する権利であり、その権利を継承したものだから王の権力は正当だ」と考えた。

2. ジャン・ボダン「他の統治形態ではひどい無秩序が表れるので、唯一絶対の主権で統治されるべきだ」と考えた。

3. ジャック=ベニーニュ・ボシュエ「神は王を通じて人々を支配している。つまり王は神の使いであり、王に逆らうことは神への冒涜とみなす。」と考えた。

4. 権利の請願のこと。この請願書では4つの原則を求めた。「議会の同意なしの課税をやめること」「不当な投獄をされないこと」「軍隊の自宅への宿泊を強制されないこと」「軍法裁判の濫用の禁止と判決の無効」

感想

王権神授説を見て今は間違ってるってはっきりわかるけど、当時の人々は本気で国が良くなると思っていただろうし、今自分のやることの何が正しいなんてわからないものですよね。人は失敗しながら成長していくものなんだな~と肌身に感じたある日の午後でした。

寿司アーキテクト byぜらまる


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