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RoBoHonで試行錯誤……。

どうもー、Yasです。
前回までのお話を一言でサマリーすると。

気がついたら会社ができていた

会社という箱はできました。その中に何を詰め込みましょうか?そんなところから今回のお話は始まります。

とりあえず、僕と山中はRoBoHonを手に取ってみることにしました。かなり初期型のRoBoHonは何とプロジェクター内蔵でした。

どこからどう見ても、子どもうけしそうなキャッチーな外見なのにプロジェクタがあるから子どもの前では使うべからず!みたいな不思議なジレンマが詰まったロボットが僕の第一印象でした。

プログラマブルだというのも分かったのでサンプルを動かしながら何が出来るのかという観察に終始します。ここ押せるのね!とか、こういう仕組みで発話してるのね!とか開発のアイデアになりそうな事を1つ1つ体に染み込ませていきます。

ものすごく簡単にいうと

1. HVMLとシーン

 HVMLという特殊なXMLで構成されていて。その名のごとくシーンを作れる。これは映画のワンシーンのシーンとほぼ同義。JavaScriptでいうとイベントの中身のコード群のようなもので、これを作りながらRoBoHonに様々な指令を与えていきます。これは行動の手順書のようなもので、イベントが発火した際にDBでとかいうのはそのつど対応するActivityなり、EventHandlerを呼び出して書き進めていきます。

2. いうて、Android

Androidが採用されているので、カメラなどのネイティブデバイスへのアクセスはAndroidのAPIを利用しても書けるのは書けます。色々な制約があったりはするので少しクセはあるとはいえ、Androidであるという点は変わらないのでJavaやKotlinでバリバリやっているモバイル開発者であれば特に苦労はしないはずです。

3. でもって、カワイイ

これ1番大事だったのですが、触れば触るほど愛着が出てきます。人型のロボットの本当に良いところだよなぁと思いながら、喋らせてみてはニヤリ。動かしてみてはニヤリ。開発しながらも盛り上がりすぎて中々先に進まないという予期せぬ副作用もあります。(でも、カワイイです!)

1通り遊び終わり、いけそうだ!という気持ちがめばえてきたところで設計タイムです。

ロボットを中心に考えた時にやってほしい事はシンプルに1つだなと思っていました。キチンと返事をしてくれることです。ちょうどAIという言葉が世の中に広まりつつある頃合いだったので、まずは顔認証でもしてみようかなと思って色々なAPIを探してみることにしました。

辿り着いたのはAmazon RekognitionというAI顔認証サービスです。RoBoHonにも顔認証するという機能はついています。それはRoBoHonのアドレス帳に写真を撮影して登録するとその人のことをしっかり認識してくれます。発音のイントネーションも調整してくれたりして中々ぬかりがありません。

しかし、10人ぐらいの為に作るのであれば、それでも良いなぁと思ったのですが。80人ぐらいの規模の保育園を頭に思い浮かべた時に、写真を撮影sるためにRoBoHon参りが発生するな……。というのと、そもそもそこまで多くの画像を保持・認識できなかったので、外部のAPIを使ってみることにしました。遠隔でサービスを提供することを考えるとハードウェア上にある画像とかは速くて有難いですけど、中々使い勝手が難しいですからね……。

とりあえず、写真撮影をスマホでして、簡易的なアップローダを自作して、このAPIを利用するプログラムを作ってみました。まだまだ業務アプリとして見れば未完でしたが。とりあえずやってみることはとても大事です。PoC: Proof of Conceptは本当に大事ですから。

結果としては、僕や山中、大ボスの顔もきっちり認識してご挨拶してくれます。MVP(Minimum Viable Product)とは到底いえないような思いつきレベルでしたが……

— これ、ええやん!

出来上がった時は、内心、ガッツポーズをしました。早く見せたくて、こんなの出来ましたよーと鼻息荒くSlackに動画を投稿したのを覚えています。

ここで気づいた方もいるかも知れませんが、喋るってどうしたの?って話です。全然喋ってません。正確には名前を呼んでくれてるのですが。これじゃ、ダメだなーと熱りが冷めた僕は考えなおします。

— どうしたら、インタラクティブに喋れるのだろう?

会話はキャッチボールです。これだと、ただのご挨拶ロボットになってしまうので。会話をする……。これに頭を悩ませます。

— 会話、会話、会話……。LINEかな!?

LINEのAPIを使えば、チャットボットを作れるのは知識として知っていたので。早速調査です。ふむふむ、送信をするサーバー的なものとやり取りをすれば良いのか。リアルタイムにやりとりをするにはMessage Bus的なものがあれば良いんだなと。ついでにAWSのSQSも調べて……っと。

LINEにチャットボットを作って、RoBoHoNのアイコンにして、こんにちは!と僕がLINEを送ると、おうむ返しにRoBoHonが喋るではないですか!

— これは楽しい……。

ちょっと目的がズレてる気がしなくもなかったのですが、何はともあれ喋るようにはなりました。

何とか考え出した想定シーンは、感情的にたかぶっている子どもを落ち着かせる部屋に、恭しく座っているRoBoHonがいて、そのRoBoHonに話しかけると中の人がLINE越しに答えてくれるというものです。RoBoHonのカメラをWebRTCを介してスマホ側に共有するということはまだ出来ておらず。それこそ物陰からこっそりと見つめながら、LINEの返事をするというまだまだ無理感がそこにはありました。

何もないよりはマシだし、こんな事出来ますを4、5枚のスライドに纏めてRoBoHonひっさげて大ボスにプレゼンにいきました。大ボスの反応を見たかったし、そもそも暗中模索すぎる船出だったので何かしらヒントが欲しかったんです。アイデアの域を越えない商品にするには第三者の冷静な意見がとても有難いので、最初の数回は大ボスに壁打ちにつきあってもらっていました。

大ボスの反応は上々でした。決して、悪くなかったです。でも、やはり使用想定に無理があるという話になったのと、より良いアイデアに昇華するためのヒントを沢山もらいました。

その中には、そもそも、しっかりこういう事考えてらっしゃる教授の方いないのかしら?とか、Web屋としてのアナタの強みをもっと活かしなさい!とか色々ヒントをもらい、その後、山中と延々とああしたい・こうしたいという話をしました。

今すぐ形にするのは難しいが、ここで培った事はもう少し違うタイミングで形にしようと言う話になりました。それよりもより保育園に近いレイアで分かりやすい問題解決をしようという結論に至ったのです。

これがGifted Pocketとしての最初のピボットで、TSUMUGUの原型であるMagnet4Joyを作るきっかけになったエピソードです。

ちなみに、RoBoHonを使った開発はここでペンディングになっています。辞めたかったというわけではありません。実は、僕が頭を捻ってああでもない、こうでもないと開発をしている最中に山中にお願いして保育園の中にRoBoHonをおいてもらうという実証実験をしていました。

RoBoHonには思いもよらない反響がありました。しかしながら、ものすごい熱量と狂乱の中迎えられたRoBoHon君は、首を負傷しリタイアするという事件が起きてしまいます。なるほど、可愛すぎるのも難なのかぁ……と少しガッカリしましたが、そういう知見が得られたのもあり。RoBoHonを利用したツールやアプリの開発は一旦ペンディングにしています。

僕としてはまだまだRoBoHonを使ってできることはあるし、近年の進化の度合いを見ていると、もう少しやりたい事が出来てきたので。次にお話しするTSUMUGUというアプリがひと段落したら、新たな世界を切り拓くツールとして色々作ってみようとは思っています。

そんなこんなで、TSUMUGU前夜のお話し、RoBoHonで色々やってみるはこれにておしまい!

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株式会社Gifted Pocketでは「親育て・業務効率化」の2側面を同時にケアする統合ソリューションTSUMUGUの販売をおこなっております。登園・降園・精算といった基本的な業務のバックアップだけではなく。自由度の高いおたより作成・集計機能を搭載。ロボットを使った様々なギミックでおどろきと会話を生み出します!是非、ご検討くださいませ。資料のご請求はこちらからどうぞ。

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