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公園を歩く④(澄んだ空に光るタマネギ)

前の記事になります。


爆風スランプの名曲です。

この歌を密かに口ずさみ、公園を歩きます。

ペンフレンドと恋仲のようになった彼は、実際に彼女に逢うことになります。

貯金箱を壊してお金を捻出し、武道館のコンサートチケットを彼女に送ります。武道館でひたすら彼女を待ちますが、結局来なかったという、失恋の歌です。

携帯電話の無い時代なので、もしかしたら体調不良や、電車が遅れるなどの事情があったのかもしれません。

または、彼女はあまり乗り気ではなかったのに、ひとり舞い上がってしまい、チケットを送りつけた 形になってしまっていたのかもしれない。

ボタンの掛け違いかも。

しかし、実際に会う前に、電話で話しておけば良かったのでは……………

続編はないので来なかった理由は想像するほかはありません。

九段下の駅を降りて坂道を
人の流れ追い越してゆけば
黄昏どき雲は赤く焼けおちて
屋根の上に光るタマネギ

爆風スランプ『大きな玉ねぎの下で』

情景が浮かびます。
夜のコンサートだったんですね。
彼女に会いたい一心で、坂道を早駆し、武道館で彼女を探しますが、みつけることはできません。
やむを得ず、独りでコンサート会場に入ります。

アンコールの拍手のなか飛び出した
僕はひとり涙を浮かべて
千鳥ヶ淵月の水面振り向けば
澄んだ空に光るタマネギ

爆風スランプ『大きな玉ねぎの下で』

コンサートが終わってしまって、泣きながら会場を後にします。
名残惜しかったのでしょうか、最後に振り返り、武道館の屋根のギボシを目にします。

彼は、このあとどうするんでしょうか。

たぶんですが、もう彼女に手紙を出すことはないでしょう。

体調が悪くてこられなかったなどと万が一手紙が来れば、また物語が始まるのでしょうが、男の妄想に過ぎない気がします。
とにかく辛いでしょうが、潔く退散したほうが格好いいですよね。

そうはいっても彼はチケットが捨てられず、どこかにしまっておくのでしょう。

そのまましまわれてしまうか、多分大分時間が過ぎた頃にそれをみつけ、淡々と燃やすのではないかと思います。

まだ捨てることまではできず、燃やすのでしょう。

時間は全てを解決します。
人間は罪つくりで忘れやすいたくましい生き物です。

心配しなくとも、きっと別の新しい恋に、二人は向かっていくのでありましょうから。。





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