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手放せば得られるという不思議。

2020年春。緊急事態宣言が5月末まで延長となる。この先仕事はどうなるのだろうと心配する。コロナと共存していくしか道はない。このまま全世界引きこもっているわけにもいかないし。

この書き出しは202年5月のこと。WordPressで始めたブログをnoteに移行して過去記事をリライトしながら3年前を振り返る。
今は2024年の3月。春。あっという間だ。

私の仕事はDTPデザイン。折込チラシや、パンフレット、通販などのカタログ、家電、雑貨の広告、社内報などの広報など、ありとあらゆる情報伝達を誌面に表現して伝えるというお仕事。WEBデザインは少ない。印刷物が大半。
しかしその印刷物が激減して10年も経たないうちにペーパーレスになってやばいぞ、もうなくなる仕事だ、などと言われ続けている。
そう言われてすでに10年以上経つが、今も仕事めっちゃ忙しい。
姿形は変わっても情報をわかりやすく整理してビジュアル化し、キャッチーなコピーを載せてお送りするという作業は無くならないのだ。
AIがいつかは肩代わりするのなら早くそうなってほしいとさえ思うぐらい毎日泥沼のような修正仕事が山積みなのだ。
いさぎよくデジタル時代の流れに淘汰されていこう!そう思っていたのだ。

とうとうその時が来たのだ。コロナで仕事が激減。

さて、こんな時に考えるのは、どうやって生き延びていくかということ。
こんな時のために、なんかあった時のために、日本人てみんなせっせと貯金していたはずなのに、なぜかみんなお金ないのね。
かくいう私もせっせと仕事をし、貯金をし、しばらく無職でいても何年かは生きて行ける貯金があった。

はい。
だけどこの1年で家を建てるために全てキャッシュで使い果たしてしまったのだ。
住宅ローンを使わなかったこと。たくさんの税金が戻ってくるとか、10年間は軽減措置があるとか、金利がバカみたいに安いから住宅ローンを使わない手はないとか。いろいろ調べたら借りた方が得だってことは十分理解していた。
しかし20年以上アパートのお家賃を払ってきた身としては長い長い長距離マラソンの絶対やめられないコースを走らされているようで嫌だった。
もっと嫌だったのは、家が担保として扱われるということ。
そして生命保険と火災保険に強制加入となること。
お金を借りるというのはそういうことだと理解しているが、社会のルールシステムに絡めとられてしまうという思いに鬱々としてしまうのだ。

自分の居場所。自分の終の住処、自分の生き方を見直したくて長年の夢を叶えるのに、最初から人のお金を使って、人の保証でスタートするというのはどうしても目指すものが違うなぁと思ったのだ。
だから全財産を使って完成した家と庭とガレージ。

仕事は会社から請け負う形の契約となって、30年近く勤めた職場を退職。
もらったわずかな退職金で家具家電などを購入し、新生活をスタートした時点で、残金は30万ほど。ww

そしてそこにコロナ自粛で仕事激減。

何年も遊んで暮らせるお金があったはずなのに、あ〜!!やっぱ住宅ローン組むべきやったか?などと血迷ったが、すぐに復活。
全て自分で決めたことなのだ。少し世間知らずの知識もわずかな人見知りだけど。間違っていてもいいのだ。損しても仕方がないのだ。別に悪いこともしていないし、殺されたりはしない。
これでいいのだ。何とかなると信じて待とう。
よき日は必ず来る。!!wwwww

そして考えた、タイトル。「手放せば得られるという不思議。」
何もかも手に入れて抱え込んで背負って生きるなんてできない。
何かを得たければ、何かを手放せ、または何かを失うと別の何かがやってくる。
コップの水は満タンになったら溢れる。

家を建てる、ということはその土地に生える(生きる)ということだ。

土の奥深くに杭を打ち込み、そこに住む自然の生き物を破壊し、一部をお借りし、木と共に長い年月過ごし、木と共に朽ち果てていくということなのだ。
深い業のようなものを感じる。自然から奪い、そして自然に還って行く。
そんな大きな自然との共生を得られた分、私はその土地にもしくは、別の何かに、これまでの私の何かを提出・提供しなければならないのだ。

わくわく基礎工事

これまで培って得てきたもの、もしくは無駄にため込んできたもの。
中には人の役に立つものもあるかもしれない。
手放して行こう。断捨離とは少し違うけれど、こだわって抱え続けてきたもの。
貯金という安心や保身、会社員という安定や世間体。
それから少しでも損したくないという腹黒い自分。wwww

いっぺん、全部手放そう。

意外とスッキリした気分。

これからは、焦らず、慌てず、人に振り回されず、この家と、これまでの自分の経験とそこから得た知識と、意外とある体力と、最後は「知恵」。
こういうものをわずかな武器にして、自然の助けと共生しながら、自分の力を信じてやって行くのだ。

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