2023/05/17の日経を読んで

一橋大学が4月、72年ぶりに新たな学部「ソーシャル・データサイエンス学部」を新設した。人工知能(AI)やプログラミングなど幅広いIT(情報技術)関連のスキルを学ぶ。データを使いこなすだけでなく、現代社会の課題を解決できる人材の育成を重視する。文系国立大の最高峰である一橋大学の「ソーシャル・データサイエンス学部」について要約したい。

「ソーシャル・データサイエンス学部」は現在、1回生しかいない訳だが、偏差値は70近くあり、倍率も国立大では異例の前期で6倍を超えた。
「社会で即戦力となり、企業で経営を担うような人材を育てたい」。渡部敏明学部長・研究科長は新学部の役割をこう強調する。1学年60人の少数精鋭で、様々なデータを取り扱うスキルを習得する。
社会課題の解決に重きを置き、3回生からは「PBL(課題解決学習)演習」を履修する。実際に企業が持つデータなども分析して、実践力を磨く。すでに三菱地所や名刺管理ソフトのSansanなどからデータ提供や講師の派遣を受けることが決まった。20社との連携を目指し、学生が希望する規模や業種のデータを扱えるようにする。

ソーシャル・データサイエンス学部は、一橋大が世界水準の教育研究活動を目指す「指定国立大学法人」に指定される中で掲げた大学肝煎りの構想である。新学部の専任教員18人のうち、15人を外部から新たに採用した。文系とみられてきた同大だが、AIや情報分野で成果を挙げる教員を採用して、IT人材の育成に力を入れる。

72年間も新学部を創立しなかった一橋大学が新学部を設立し、自ら肝入りの学部であると断言する。少数精鋭の優秀な学生たちはどの様に育ち、どの様な企業に就職していくのか、4年後が楽しみでもある。時代に求められている超トレンドな学部である。文系大学として君臨してきた名門大学が今、生まれ変わろうとしている。伝統を重んじつつ、時代の最先端に学びをフォーカスする一橋大学は間違いなく、日本を代表する超名門大学である。学生達の将来に期待したい。


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