2023/05/03の日経を読んで
旭化成は全社員がデジタルスキルを学ぶ切り札、「オープンバッジ」の仕組みで成果を出している。カリキュラムの履修者に発行する5段階の電子証明書で、メールやSNSなどで公開できる。社内外に学習履歴や能力を見えやすくし、グループ全体4万人が学びを競い合う。スキルの陳腐化が早い時代になり、働き手の主体的な学習意欲を高める手法として広がりそうである。記事を要約すると共に所感を述べたい。
講座を履修し、試験合格などで発行される青いバッジのようなデザインの電子証明書、オープンバッジは意欲を高める
努力の成果が目に見え、ゲーム感覚で学習意欲が続く
脱炭素を迫られる化学産業にはDXの荒波も押し寄せ、新しい素材や生産手法の競争が激しい。
旭化成は21年にグループ全体の4万人を23年度までにデジタル人材に育てると表明。全社でのリスキリング、アップスキリングが待ったなしである
DXオープンバッジはブロックチェーン技術で偽造を防ぎ、信頼性が高い。
汎用性の高いバッジは特定の企業内の評価に留まらず、保有バッジでスキルをアピールし、転職や副業に生かすことも始まりつつある。
バッジは社員が専用サイトで保管し、メールやSNSで公開できる。外国人社員も取得に励み、バッジという共通言語で組織の垣根を超えて、学びの意欲を共有する文化が生まれる。
主体的でないと学習効率が出辛いため、取得は強制ではなく、人事評価とは連動しない。
旭化成のオープンバッジの仕組みは確かに学習意欲を高める方法としては最適だと思うし、弊社にも導入してもらいたい。一方でこれだけ学習しても人事評価に結びつかないものはいかがなものかと疑問である。主体性、自主的にといってもやらない輩はやらないだろうし。やる人は時間を見つけてやる。旭化成の社員をデジタル人材に育てるという目的を果たすためには人事評価とも結びつけなければ、底上げは厳しいのではないだろうか。やはり、人間はインセンティブが欲しいものである。だって、人間なのだから。