おばあちゃんのことが苦手だ

今月、26歳になった。
25歳の1年間は、認めたくなかった故に抑圧してきたことを意識下に戻して、それを受け入れることの連続だった。

そんな抑圧していたことの1つが、「おばあちゃんのことが苦手」ってことだ。

おばあちゃんは、父方の祖母のことだ
母方の祖母は新幹線に乗らないと会えないから年に2回は会うかなって感じだったけど、
父方のおばあちゃんは歩いて15分くらいの距離にずっと住んでたから、定期的に会いに行ってた。

おばあちゃんは、小学校まではまだ良いおばあちゃんだった。
私の話をよく聞いてくれたし、一緒にプリンとかお菓子を作ってくれた。
親が褒め下手すぎたのもあって、「〇〇ちゃん、偉いわね」って言われると心が満たされた。幸せだった。


でも小学生の時から「おばあちゃんが嫌がることはしない方が良い」とは感じていた。
今となると「条件付きの愛情」と言うのだろうか。
・組曲みたいなピアノのコンクールで着るようなワンピースだと喜んだけど、GAPのパーカーで行くと「男の子見たいね、〇〇ちゃん」って不機嫌そうに言ってきた。

・「パパが〇〇していて嫌だった」って言ったら、「親のことは黙って聞きなさい!!」とさっきまで機嫌が良かったはずなのに、突然激昂してきた。(それ以来親の話はしなかった)

・中学受験の塾の話をすると必ず「女の子なのにそんな勉強させるなんてね、でもママにも考えがあるのよね」と苦い顔で言ってくるので、塾の話はしないようにしていた。(どうして父は勘定に入っていなかったのだろうか)


でも、中学に入ると突然レベルが上がった。
一言で言うと「毒親」…じゃないか、「毒おばあちゃん」だった気がする。
(親のこと「毒」とか軽く言えちゃう人って、起こったこと全て親のせいにして、自分がどう生きるか考えてない気がするから嫌い。だけど祖母のことだからこの表現にしておく)

きっとおばあちゃんはおばあちゃんで生きるのが辛かったんだろうな。
おじいちゃんはモラハラの権化だし、結婚後実家がなかったらしくて夫からの逃げ場がなかったらしい。
でも中学から孫に聞かせるか?って内容をシャワーのように浴びせるようになった。

・おばあちゃんのお父さんは私が生まれる随分前に亡くなってるはずなのに、
毎回「私は父親に愛されてないの」「私は父に姉妹の中で一番不細工ってずっと言われるのよ」って話をしてくるようになった。なぜか現在進行形で。

・おじいちゃんの隠居後、よく世界中を豪華客船で旅行に行っていたけどその自慢をしてくるようになった。「おじいちゃんのお陰でいい生活が出来てるわ」と言う風に。

・でもおじいちゃんがリビングからいなくなった途端に「あの夫が嫌がるから私はお友達との縁を失った」「〇〇ちゃんは良いわね、お見合いであんな男と結婚させられたのは時代が悪かったのよ」とも言うようになった。毎回。

中学・高校までは、おばあちゃんと私の話す割合は6:4くらいで、まだ私のことを褒めてくれたので、月に1回は遊びに行ってた。
でも大学に入るくらいから、割合は8:2になってたし、私の言うことを頭ごなしに否定してくるようになってしまった。「〇〇ちゃんに何がわかるって言うの?!」的な。

辛かった。
1回行くと3時間は帰らせてくれないし。
翌日頭痛や腹痛が出る時もあるくらいしんどかった。

でも友達付き合い減ってるらしいから吐き出す相手は居ないだろうし、息子たちはそんな器量は無いだろうしって思って、
19〜24歳くらいの5年間も、どんなに期間が空いても3ヶ月に1回は行ってた。

でも去年、25歳で「自分の幸せ」を考え始めたら、足が遠のいて9ヶ月?くらい行けなくなっていた。
そんな中、今月の頭の私の誕生日におばあちゃんがラインをくれた。
でも「遊びにきてね」って旨の言葉がなかった。
「誕生日おめでとう。人生は辛いですが乗り越えていきましょう!」的な内容だけだった。

…なんだか気が抜けてしまった。
そうか、おばあちゃんは別に私が遊びに行かなくても良かったのか。
そういえばおばあちゃん家に私が行ってばかりで、物心ついてから一度も私の家に来てくれたことなかった。
おばあちゃんは、別にもう私に用はなかったのか。。

そこでやっと気がついた。

今まで私はいつかまた元の優しいおばあちゃんになるのを求めてたな。
親の代わりに褒めてくれたおばあちゃんに戻って欲しかったんだな。
でも万が一褒めてくれたとしても、自分に毒を投げてくる人にいい顔するのって「自分の幸せ」無視しすぎじゃん。
もうおばあちゃんに優しさを貰えないことを受け入れよう。

そんな風に受け入れた数日後、母方の祖父母の家に新幹線に乗って会いにいった。
母方の祖母は、私が来るなり手を握って「会いたかったわよ」って言ってきた。
母方の祖父母はチンしたさつまいも片手に、私の知らない話をしながら2人でワハハハ笑い合っていた。
それを見て涙が止まらなくなった私を見て、母方の祖母は理由も聞かずに「そんなに辛いならうちの子になりなさい!」って言ってきた。

毎回おばあちゃんは「おじいちゃんはお金持ちだから」って言いながら諭吉を渡してきたけど、
母方の祖母は「次来る時の運賃として取っておきなさい、必ずまた来るんだよ」って言いながら渡してきてくれた。
同じお金のはずなのに感じ方がまるで違くて、また泣きそうになった。

母方の祖母は「知り合いが亡くなって悲しい、あの人は本当にいい人だったから悲しい」と嘆いていた。
おばあちゃんは誰か知り合いが死んでも、いつも「人はいずれ死ぬものね、そう言うものなのよ〇〇ちゃん」って言ってきた。

…そうか、おばあちゃんに足りなかったのは愛情か。
母方の祖父母は愛情があるのか。
私は、愛をくれる人に、愛をあげる人生にしないと

【結論】私、おばあちゃんのこと苦手だ。

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