見出し画像

文速のオキテ、スピードライティングは正義か

「今日は2万字書きました」
「今週は記事20本仕上げます」

 こんな投稿を見るとドキリとします。

もっと速く書けるようになりたい、もっと記事を量産しないと。

もともと私は、速書きに分類されるライターです(自分調べ)

書くことはわりと得意で、あまり言葉に詰まらずサラサラと文を作れるタイプ。

話すより書く方が、数十倍ラクだったりします。 

それでも、すさまじい文字数や記事数を表明している人たちを見ると

 (ひえーこんなに書いてるのか)
(私もっと頑張らないといけないかな)

と心がザワワワーっとすることがあるのです。 

今日は、文章を早く書けるようになるコツと、そもそも速書きってどうなの?という話です。


文章を速く書くコツ

私が考える速書きのコツは、こんな感じです。

いきなり 書かない

書くために書かない。

なんて矛盾しているようだけど、速く書きたかったらいきなり書かないは真理なのかな……と。

書く前に、まずは構成に命かけましょう。

私は構成全力投球ライター(自称)でして、構成の仕上がりが記事の質の90%を決めていると考えています。

だから、記事書きよりも、構成作りへの集中力は3倍ぐらいかけている。

構成は、記事をどのようにスタートさせて進み、着地させるかという地図や道しるべみたいなもの。

ここを丁寧に仕上げることで、執筆時の迷いや戸惑いがすっきり解消され、時間を大きく短縮できます。

ちなみに、クライアントワークの場合、構成のチェックは、しっかりして貰ったほうが良いです。

 ここで、お互いの認識の違いや方向性をすり合わせておくと、修正の機会が大幅に減ります。 

執筆はジグソーパズル作り

構成はできた。
よーし書くぞ!

といきなり1文目から始めると詰みます。 

冒頭から書くと、最終的な着地地点が見えなくなり、どこに降り立てばいいか迷子になることが多いです。

特に、タイトルとリード文は、記事全体のエッセンスを散りばめた方が効果的なので、一番最後に書きましょう。

執筆は、1つ1つのパーツを作って、スキマを埋めていくパズルのような感覚で進めると早いです。

手順としては、見出しごとに伝えたいことをまず箇条書きにします。

音声メモで、多少くだけた文章で入れていってもOK。
 
次に、その箇条書きをふくらませて文字数を増やします。

ふくらみきったところで、前後の流れに気をつけながらつなげて整える。

 最終的に、口語から文章に変換しつつ、肉付けをして完成です。

AI をガシガシ使っちゃう 

AI使用が禁止されているクライアントワークもありますが、ダメじゃなかったらAIを活用すれば、執筆スピードは爆発的に上がります。

昨年に比べ私が速書きになったのも、AIという優秀なアシスタントをそろえたからです。

ただし、まだまだ精度は完璧ではないので、記事全体を書いてもらうというのは厳しい。

今のところ、一番良い使い方は見出しのアイデア出しです。

ペルソナとトンマナを設定してテーマを投げれば、ある程度の構成が出てきます。

私の感覚だと、GPTさんは割と硬めのビジネス文書向き、Claudeさんは感情に寄り添ったエンドユーザー向きかなという印象です。

それぞれを記事に合わせて、使い分けると良いですね。

速書きをめぐるジレンマ

ここまで速く書くコツを説明しました。

だけど私、一方で速書きってそんなに大事?と思っています。

量産しまくっていることに満足し、文字数や速書きできたことを誇る。

これって本当に良いライターなんだろうか。

速さだけなら、ぶっちゃけこれからAIに負けてしまう気がする。

クライアントの納期に応えるために、ある程度スピード感というのは必要。

でも、納得できるものを作りたい。

質を高めるというのも、ライターが忘れてはいけないことだと思うのです。

ビジネス界隈の生産性信仰

世の中では「生産性を上げよう」が合言葉のように飛び交っています。

私も、会社員時代何度も言われ、意識してきたことです。

ライター界隈もその「生産性を上げる」思考におちいっているのかもしれませんね。

それって健全なんでしょうか?

本当にクライアントに求められていることなのか?記事に求められていることは何なのか?

一度立ち止まって考える必要があるように感じます。

速書き万能じゃない説

今手掛けている記事のゴールが、量産だったら速書きも必要です。

だけど、質を重視する案件、具体的には記事を通したコンバージョンを求める案件も山のようにあります。

 収入アップのために、記事を大量生産しなければならないときもある。

 そんな時はスピードに注力するべきだけど、 質重視の案件を獲得して単価を上げるという切り口もある。

早書きはあくまでスキル、特技の1つです。

仕事はとりやすくなるけれど、これからの AI の仕事ぶりなんか考えると、それ1つで生き抜くには心もとなさ過ぎる。 

速書きを極めるのではなく、ジャンルに特化するとか、SEOを頑張るとか、取材力を強化するとか、他にも色々伸ばすところってあります。

まとめ、遅いと感じている時は、成長の兆し

だけど自分の執筆が遅いな、どうにかしたいという思考そのものは、良いことです。

自分を成長させたいとか、何かしら改善したいと考えるのは、成長の兆しだと思います。 

速書きは悪いことじゃない。

クライアントにも求められていることもあるし、自分の収入を上げるのにも大事。

だけど、書いた文字数を誇ったり量産することへの発信に焦る必要はないんじゃないかな。

 ライターは結局、自分との戦いでしかないです。

自分が求める収入分の記事を作る。

 クライアントに求められたものを書き上げて、納品する。

スピードじゃなくて、そこが軸として動けるライターになっていきたいものですね。

おもしろい、わかる、へぇーという気持ち
スキ!で届けてください。
励みになります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?