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「筑波大附属」と「筑駒」は似て非なるもの

前回、東京にある国立中学の話をいたしました。

今回は、その中でも、筑波大学の付属中学を取り上げたいと思います。

筑駒は、ちょうど去年の今ごろに学校説明会があり、我が家も参加しました。

都内には、筑波大学の付属校として、

筑波大学附属中学」と「筑波大学附属駒場中学」があります。

ともに筑波大学に付属し、「筑波大学附属」という名称なので、同じ学校、あるいは分校のようなものだと思っている人も多いと思います。

全く別の学校です。

参考までに、両校の違い特色について述べたいと思います。

<筑波大附属中、通称「筑附」(つくふ)>

文京区大塚にある、首都圏の共学トップ校です。

男子皇族が附属高校に入学し、話題となりました。

校章は、由緒正しい、「五三の桐」。

歴史は古く、明治5年の師範学校にさかのぼります。

今年で創立134年!

教員の専門養成機関でした。

戦後は、東京教育大学附属という名称に。

1978年の筑波大学に移管され、「筑波大学附属」となりました。

日本の公立学校における先導的な教育を実験的に探るのがその使命とされます。

教育目標は、自主・自律・自由の精神にもとづく、調和の取れた全人教育。

モットーは、「強く、正しく、朗らかに」。

筑附は、中学は1学年200人(男女同数)、うち中学受験組が80人(男女同数)で、附属小からの内部進学の方が多い構成です。

中学入試は、国語50点、算数50点、社会25点、理科25点の計150点に、報告書点42点を加えた上で、報告書の内容を総合的に判断する、とされています。

算数と国語の比重が高く、報告書が重視されているのが特徴です。

中学までは制服があります。

付属中から附属高への進学者は160人程度なので、内部進学率は約80%です。

高校入学試験(内部生向け)があります!

つまり、中高一貫ではありません

筑附には、小学校から高校までありますが、各教育課程が自動的に接続するわけではないため、附属小に入っても、そのまま高校まで進むのは5割程度と言われています。

学校行事として、開成とのボートレース対抗戦があります。

筑附中の水上校長は、筑波大学教授を兼任されていますが、開成出身です。

筑波大附属駒場、通称「筑駒」(つくこま)

世田谷区池尻にある、首都圏の最難関男子校です。

校章は、「麦の穂」をかたどっています。

戦前は、農業教育機関だった歴史があります。

戦後は、東京高等師範学校とともに東京教育大学にまとめられ、東京教育大附属駒場、通称「教駒」と呼ばれました。

その後、筑波大学に移管され、「筑波大学附属駒場」となりました。

学校目標は、自由・闊達の校風のもと、挑戦し、創造し、貢献する生き方をめざすこと。

駒場の自由」と言われ、制服や校則がありません。

国立唯一の男子校で、中学は1学年120人

附属小はなく、中学から高校へほぼ全員が進学する、中高一貫が特色です。

入試は、第1次選考は抽選(近年は応募者全員通過)、第2次選考は学力検査(国語、社会、算数、理科、各教科100点)と「報告書」(100点)です。

学校行事の中では特に文化祭に力を入れているようです。

もと農業学校だけあって、稲作実習があります。

両校は名前が似ていて紛らわしいですが、かなり性格の異なる学校といえると思います。



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