昨年から今年にかけ、埼玉県の県立高校の共学化問題を巡る議論が盛り上がっています。
中高一貫の男子校に子どもを通わせている親として、考えさせられるところがあります。
<女子差別撤廃条約とは?>
1979年に国連総会において採択されてその後発効した条約で、日本も1985年に締結しています。
女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とした条約で、「女子に対する差別」を定義し、条約を結んだ国に対し、政治面、経済面、社会的活動における差別の撤廃のための措置をとることを義務づけるものです。
<男女別学は憲法違反?>
実は20年前にも今回と同じような議論が起きたことがありました。
公立高校の男女別学が憲法違反となるのか、当時の国会議員が政府の見解を質したことがありました。
日本国憲法第14条では、すべて国民は法の下に平等であることが規定されていますので、男女別学はこの規定に反しないのか?という論点です。
これに対する政府の見解は以下のとおりです。
男女別学は憲法違反ではないとの見解です。
これだけだとわかりにくいので関連の規定とその解釈も紹介したいと思います。
<「教育上男女の共学は、認められなければならない」の意味>
文科省によれば、この規定については3つの意味があるといいます。
一つ目は、男女共学の真価を認め、男女共学を推奨すること。
二つ目は、男女共学を国やその機関が禁止してはならないこと。
三つ目は、男女共学を強制するものではないこと。
さらに、この規定は、教育は原則として男女共学で行われることが本来の在り方であるという視点も含まれているとされています。
「共学があるべき姿」としつつも、結局、学校を設置する国や自治体、学校法人に委ねられている、というのが実情です。
変っていく学校もあれば、変わらない(変えようとしない)学校もある。
保護者や生徒からすれば、現時点では「別学か共学か」を選ぶ権利があるといえます。