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中学受験でやってはいけない、親から子への声掛け
前回、「中学受験の合否は、“子ども3割・親7割”」と語る、医師の吉田たかよし氏の話を取り上げました。
吉田氏自身、中学受験経験者で、灘中高から東大に進み、心療内科医として、多くの受験生の相談に乗ってきたそうです。
その中で、参考になる話がありましたので紹介しておきたいと思います。
中学受験を控えた子どもに親がやってはいけない声がけについてです。
①「大丈夫?」
テストや受験前の子に「大丈夫?」というのは、親自身の不安定な気持ちを安心させるための言葉。
声をかけられた受験生は、大丈夫でない要素をわざわざ探し出して不安になる。
子どもを心配する親心から出たが言葉が、受験生である我が子を追い詰めてしまう結果となっては意味がありません。
「大丈夫」ということばは本来安心感を与える言葉ですが、疑問形にすると不安な証拠なのでよくないことはわかります。
「絶対に大丈夫だから。」
強く重たい感じで言うと、逆に子どもの不安をあおってしまうかもしれません。
「大丈夫、大丈夫」
軽いトーンで使うのがいいのかもしれません。
②「必ず受かる」
親は子どものプレッシャーを取り除こうとかけた言葉でも、子どもにとってはハードルを上げるだけ。
子どもの成績や実力を知る塾の先生に言われるなら、まだ分かります。
親に言われると、子どもにとっては『受かれば当たり前、落ちたらアウト』とチャレンジ精神を否定されているのも同然だといいます。
確かにこれは厳しいかも…。
気合入り過ぎて萎縮してしまいますね。
③「もっと頑張れ」
うつの状態にいる人を励ましてはいけないのと同じ。
頑張らなくちゃいけないと思うと、もっと深刻なスランプに陥ってしまう。
『勉強法を工夫しよう』など具体的なアドバイスであれば有効。
我が家でも経験があります。
「頑張れ」だと、現在の状態は頑張っていない状態、ということになり、否定されたように感じてしまう、と子どもに言われたことがあります。
「頑張っているね」という声掛けはよいと思います。
親からの問いかけで一番大事なのは、子ども自身に語らせることだといいます。
吉田氏曰く、「会話は親が3で子どもが7くらいの分量が理想。問題を抱える親と子の会話は、それが10対0になっている。カウンセリング中、受験生本人から聞きたいのに、先に親のほうが答えてしまうという場面は少なくない。」
塾から帰宅したら、今日は塾でどんなことがあったか、何か発見はあったか、など聞く。
「今日はこういうことを習ったよ」と子ども自身に語らせることで、丸覚えでなく生きた情報になってくるといいます。
息子は塾の授業内テストの点数をとても気にしていました。
点数が悪いと、塾から帰ってきたきたときにガッカリしている様子がすぐにわかります。
そんなとき何を聞いても、何も語らず、会話が成立しません…。
「間違えは誰にでもあること。」
「テストは、点数が重要じゃない。自分の弱い所がわかってとてもよかった。」
「今できなくても、これからできるようになればいいだけ。」
このやりとりを何度繰り返したか覚えていないくらいです。
他にも、「頭がいいね」というのもNGだそうです。
「才能を褒めるのでなく、努力を褒めてあげてください」と吉田氏。
自己愛が膨らんでしまい、「有名中学に受かったから、自分は天才だ」と思い込み、成績さえ良ければわがまま放題でいいと思っている子どもも問題という。
親が認めてくれるのは偏差値のみになり、その他のことを制御できなくなってしまう…。
「自己肯定感」は大事ですが、偏差値=自分の評価の全てと受けとめるようになってしまったらそれは怖いことです
親が偏差値や順位に過度にこだわるとロクなことにならないようです…。
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