見出し画像

中学受験の成否は子ども3割、親7割

我が家では今年息子が中学受験しました。

知人に、子どもが中学受験したと言うと、「中学受験って『親の受験』なんでしょ?大変でしたね。」と返されたことがあります。

確かに親も大変だったけど…。

実際に勉強して試験を受けたのは子どもなのですが…

自身も中学受験で灘中に入学し、東大を卒業した医師の吉田たかよし氏が、「中学受験の合否は、“子ども3割・親7割”」と語っていたので、気になりました。

吉田氏は、数多くの受験生の相談に乗ってきた心療内科医で、「受験うつ」の問題も多く扱うといいます。母親塾も主宰しているそうです。

中学受験に失敗する子の親がやってしまっていることの中でも、夫婦仲が悪いこと、父親と母親の間で子どもの中学受験に対する考え方がズレていることは大きな問題だそうです。

夫婦仲が良くないストレスを、子どもが塾のテストで良い点を取り、志望校に合格することでまぎらわそうとし、子どもの成績に対して過剰に一喜一憂する親は多いと言います。

その様子を見て、成績が振るわない子どもは、絶望感を感じて精神状態が著しく不安定になってしまうのだそうです。

こうした状態で中学に合格したとしても、根本的な問題は解決しないまま、入学早々不登校になるケースもあるといいます。

吉田氏によれば、受験に注ぐ力のバランスは、父親6、母親4が理想

実際には、献身的に子どもの受験のために頑張っているのはお母さんのほうが圧倒的に多いそうですが。

我が家は、父親8:母親2くらいでしょうか…。

かなりバランス悪いです。

「カウンセリングで何回か話しているうちに、お父さんが家庭を顧みないとか、浮気しているとか、家庭円満でない背景が見えてきます。世間体やお金のため離婚もできずに、心に空いた穴を埋めようと受験にのめり込む。お母さんの傷ついたプライドを何とかするために、子どもを一流校に入れる方向に姿勢が向く、というケースがよく見られます」

父親が暴走するケースもあるという。

例えば…

「どうしても医学部に行って、跡を継いでほしい」

「自分は私立の医学部だったから、息子にはよりレベルの高い国公立の医学部に行ってもらいたい」

「会社で部下の子が開成に受かったので、うちも同等の学校に受からないと」

母親の側も、ママ友コミュニティの中で、「他のママに羨ましがられたい」「優越感を感じたい」という気持ちは少なからずあり、自分の虚栄心を満たすために、我が子を中学受験に向かわせているケースが少なくないといいます。

中学受験失敗談に出てきそうです。

親自身のリベンジや見栄のために子どもの受験にのめり込むとロクなことがなさそうです。

問題ある家庭の話を聞くと、受験に入る前に夫婦の間で子どもの人生についてじっくり話し合った形跡はなく、ほとんどの家庭で、『我が子には名門校に入ってほしい』という受験ありきだそうです。

100%確実に合格するという保証はない受験において、その不確かな現実が親の不安を大きくします。

そんな中、子どもの行動を一つ一つ強烈に叱ると、子どもは「親ががっかりするのを見たくない」という思いの積み重ねから、受験に恐怖心を感じるようになってしまうといいます。

小さい子は特に母親の影響をダイレクトに受け、母親を喜ばせたい、期待に沿いたいと思い、中学受験に失敗すると、親に見放されるかもしれないという恐怖心(あるいは親の期待に応えることができない挫折感)から、その後の高校・大学受験でうつになりかねない…。

吉田氏によれば、不調を訴え受診する親子の話を聞くと、子どもだけでなく、母親にもうつが見つかる場合が多いそうです

子どもは親の背中を見て育つ、というのはまさにその通りで、子どもは親の心理状態を映し出す鏡のようなものだと思います。

そう考えると、中学受験は「親の受験」という側面も確かにあるだろうと思います。

にほんブログ村

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?