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【非日常の空間で食べる!】 Z世代が求める食体験とは

1.     現状(社会的背景)+原因  
コロナ禍が明けて、旅行に行く方も多くなったのではないでしょうか?
そんな中我々は、旅先において食というものはどのように考えられているのか、そして、旅先においての「新しい食への挑戦」について調査しました。

出典 JTB「食と旅の調査」/ 観光経済新聞

「国内旅行のテーマ」についての調査によると、「食・グルメ」を目的に旅行する人が多いことが分かります。このようなことから、旅先を決める際に、「食」が重要な要素になっていると分かりました。

出典 知るギャラリー by INTAGE Inc.

また、コロナ前とコロナ後での旅行における同行者の比較についての調査によると、家族が多数であるものの、「自分一人」や「夫婦・カップル」などの少人数での旅行が増えていることが分かりました。このように、旅行スタイルもコロナ前後で変化していることが分かりました。


1.     Z世代の現状 

冒頭のJTBがおこなった「食と旅の調査」を振り返ってみると、20代の旅行のテーマとして注目したい点がある。30代からの世代が”温泉”を旅行のテーマとして選択しているのに対して、20代が選択するのは”食・グルメ”が一番多いことが分かります。食べたいものを食べに行くために旅行先を決定することもあるそうです。

 なぜ、Z世代は旅行先で食やグルメを重視するのでしょうか?
このグラフをご覧ください。 

出典:SHIBUYA109 Lab. 

 SHIBUYA109の調査からZ世代は、食生活に関する価値観として「食を楽しむためには、空間も大切だ」と感じていることが分かります。空間を大切にするZ世代は、旅行先という特別な空間での食を楽しんでいます。

 今回、私たちは旅行中に実際に特徴的な食の選択をした「Iさん」をエクストリームに設定し、インタビューを行いました。


2.     ペルソナの特徴的なエピソード 

これらの調査を踏まえて、私たちは大学4年生の男性 Iさんをペルソナに設定し、インタビューを行いました。 Iさんはバイクの免許を持ち、一人でよくツーリングに行くそうです。彼の旅の目的はツーリングをしながら風景や景色を楽しむことであり、食事に関してはその時に食べたい・食べてみたいと思ったものを楽しんでいるそうです。


本人提供画像

以前、和歌山県の龍神村までツーリングした経験があります。その旅の目的は「高野竜神スカイラインを走ること」で、標高約1000mにある道路を走行しました。→和歌山県の龍神村まで、「高野竜神スカイラインを走ること」を目的にツーリングした経験があるそうです。その際、高野竜神スカイラインの名物であるごまさんスカイタワーという道の駅に立ち寄り、ごまソフトクリームを味わったそうです。標高が高いため、バイクで走行しているととても寒かったそうですが、ごまソフトクリームは食べたことがなかったため気になって食べてみたとのことです。

インタビューの中で、Iさんにとってこの体験が記憶に残る楽しい思い出となった理由を質問したところ、「長時間運転の後だったから寒かったけどめっちゃおいしかった」「食べたことのないものだったからより思い出に残った」の2点が挙げられました。このことからZ世代には、今まで食べたことのないものも旅先などの特別な空間では食べたくなるのではないかと考えられます。

一方で、その体験をする中で困ったことを質問すると、道の駅で昼ご飯を食べる予定だったけど、道の駅にレストランがなく、ソフトクリームやコーヒーなどしか売っていなくてがっかりしたそうです。

 

3.     ペルソナの意識×Z世代の意見(ペルソナと一般的なZ世代を比較) 
ペルソナの最も特徴的な意見は、旅先であれば味の想像がつかないものでも食べてみたいという意見です。→括弧部分ないほうが簡潔に伝わりやすいかも、!

出典  Marketing Design X Lab.

Z世代に旅行先での食を選ぶ基準についてアンケートを取ったところ、「味の想像ができて美味しそうなもの」を選んだ人が76.2%と半数以上を記録しました。

JTB News Release 「旅先で楽しむ『食』についてのアンケート」

こちらはJTB News Releaseが「旅先でその土地、地域の名産品や食事を楽しんだことはありますか?(20代)というアンケートを実施したところ、103人中94.2%もの人が「はい」と答えました。

この二つのアンケート結果から、味の想像ができて美味しいもの が食べたいけれど、旅行先という 非日常の環境でいること により、その土地ならではのものを食べたいという思いがあると考えられます。

出典:JTBコミュニケーションデザイン&伊藤忠ファッションシステム

また、こちらのJTBコミュニケーションデザイン&伊藤忠ファッションシステムが行った「Z世代に対するインターネット調査対象者全体の旅行に対する感覚やイメージ」には、『非日常を味わうもの』(45.5%)、次いで、『ストレス解消につながるもの』という項目が上がっていることがわかりました。

 その土地ならではのものを食べる(=非日常という空間で食事をすること)はZ世代の日頃の生活からの解放に繋がっていることがわかります。

 

4.    仮説

旅先の非日常の空間や旅行という私的で特別な場所は、普段見ることができない風景や味わうことのできない体験ができる場所です。

このような開放的な空間は、仕事や学業に追われ、時間が限られているZ世代にとって特に魅力的です。彼らは周りと比べて将来に不安感を抱くこともありますが、旅先ではそのような日常のプレッシャーから解放されることができます。彼らは普段からSNSやインターネットを通じて様々な食文化や料理を目にし、興味を持っています。そのため、旅先での食体験も彼らにとって重要な要素となり、旅先での食事は単なる栄養補給ではなく、新たな味覚や料理の発見を楽しむ機会として捉えられます。開放的な空間であれば、そのような普段は食べない・食べたことのない未知の食べ物にも挑戦したくなるでしょう。

5.   アイデアとペルソナからのFB、Z世代からの共感度合い

AIによって生成したイメージ画像

①「バイクツーリング」✖︎「農家巡り」
バイクツーリングが好きなペルソナが、ツーリングの目的地として様々な農家を渡り歩くことで、その土地その土地で素敵な食物を育てている環境を観察し、非日常空間で育てられたものをいただく事ができるサービスとなっています。

このサービスを利用することにより、ペルソナはツーリングの目的を作る且つ、日常では食べることのできない農家さん直伝の特製料理などをいただくことができ、新しい食への挑戦ができると考えております。

 

ペルソナからのFB
食物を育てている工程を見たことがないので、それだけでも見たい、食べたいと思えるし、農家さん直伝の特性料理ならどんな食べ物でも挑戦できると思います。また、ツーリングに行った場所の名産地なども知ることができ、その土地のことをよく知れてそのツーリングがより良い思い出になるのでとてもいいサービスだと思います。個人的に、車の少ないのどかな場所を走るのが好きなので、ぜひこのサービスを利用してみたいです。

Z世代からの共感度合い
また、Z世代にこのアイデアを試してみたいかアンケートをとったところ、「はい」と答えた方が81%でした。良い点としては「趣味と農業体験がかけ合わさって楽しそう」、「農家さんの苦労を知ることで食べ物が普段より美味しく感じそう」といった声が上がり、趣味✖︎非日常体験に対して好印象を持ってくれています。マイナスな意見としては、「時間がかかりそう」「農家さんへのアポが大変そう」など、ハードルの高さを感じる声が上がりました。

AIによって生成したイメージ画像


②アドベンチャーダイニング
海や滝のそば、森林や山頂、洞窟の中など、自然の中や特別な場所で食事を提供することで、非日常な食事体験ができるサービスとなっています。このサービスを利用することにより、普段は食べないものや苦手なものでも、非日常で開放的な空間に影響されて挑戦しようと思う人が多くなると考えております。 

ペルソナからのFB
自然の中で食事をすることは普段あまりないので、そのような環境なら日常と離れてリラックスができ、普段は挑戦しないような食べ物にも挑戦できると思います。外で食べ物を食べるだけでもおいしいので、山頂や海など、きれいな景色を見ながら食事をすればいつもよりおいしく感じるだろうし、楽しく食事をすることができると思います。

Z世代からの共感度合い
また、Z世代にこのアイデアを試してみたいかアンケートをとったところ、「はい」と答えた方が86%でした。良い点としては「非日常な空間だから普段食べないものにも挑戦したくなる」「自然の中で食べるとおいしく感じられそう」といった声が上がり、普段とは違う非日常の空間での食事体験に対して好印象を持ってくれています。マイナスな意見としては、「事故や自然災害が心配」「衛生面が少し心配」など、自然の中での食事に不安を感じる声が上がりました。

③イマーシブアンテナショップ

AIによって生成したイメージ画像

一般的なアンテナショップではなく、その土地の一部が切り取られたかの様な店内で買い物ができます。店内に木が生えていたり川が流れていたりと、実際にその土地に訪れたかのような没入体験ができます。都会にいながら観光地にいるかのような、特別空間にいる事によって食べたことのない食べ物に挑戦することができるのではないでしょうか。

ペルソナからのFB
一般的なアンテナショップとは異なり、その土地の一部分を再現した店内での買い物は、実際にその土地に訪れたかのような没入体験ができてとても楽しそうだと思います。都会にいながらも、お店に入ればすぐに違う場所に来たかのような感覚は特別で、普段は食べない食べ物にも挑戦できると思います。

Z世代からの共感度合い
また、Z世代にこのアイデアを試してみたいかアンケートをとったところ、「はい」と答えた方が約73%でした。良い点としては、「手軽に非日常感を味わうことができそう」「五感に訴えかけられると食の挑戦もしやすそう」といった声が上がりました。マイナスな意見としては、「混みそう」「再現度を上げるのは難しそう」など限られた空間をいかに有効に使うかといった課題も見られました。

 

 

6.     まとめ

みなさん、Z世代の食の挑戦事情はいかがだったでしょうか?

これらのデータからも特にZ世代は「食・グルメ」が旅行の重要な要素となっていることが分かりました。そして、特別な空間での食体験を重視し、旅先で新しい食べ物を試すことに魅力を感じています。大学生Iさんのエピソードからも、Z世代が非日常の食体験を求めていることが分かります。アンケート結果では、旅行先で「美味しそうなもの」を選ぶ一方、非日常の空間で新たな味覚を楽しむ傾向も強いことが分かりました。

また、新しい食への挑戦として、今回の新しいアイデアによる体験は、非日常の空間での食事を通じて、日常のストレスからの解放にもつながると考えました。

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