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嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~十九の歌~

《伊勢の手まり唄》 原作:伊勢 
ひとつ、ひとりで間に合わで
ふたつ、ふたりで伏したなら
みっつ、みじかき夜があけて
よっつ、夜な夜な恋惑う
いつつ、いつしか行かず後家
いつか、いつやらふしあ~わせ!
(注)間にあわで=事足らない。

定家「難波潟 短き芦の ふしの間も あはでこの世を すぐしてよとや。この歌をてまり歌に書き下ろすとは! やるね」
蓮生「この次の歌もてまり歌になってるらしいで」
定家「二十の歌? 早よ、見てみたいな」
蓮生「そうやね。ま、すぐや、すぐ」
定家「けど、子供こさえる無邪気な歌って決まって大人には残酷や」

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