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《海の詩》嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~九十二の歌~

《海の詩》原作:二条院讃岐
海に眠る石の流した涙は
透んだ瞳をした潮となって
遠い砂浜に立つ貴方の足元を洗う。
もし、貴方がその水をきれいだと思うなら
私も濡れた袖をおし抱き、眠る石になりたい。

<承前九十一の歌>
定家の唇が式子の背を侵してゆく。その唇の赴くままに式子の背後に回り込むと定家は一気に舌を式子の背骨沿いに首元から桃尻の割れ目まで急降下させた。
「ひィ!」
式子の身体反り返った。途端に定家は突出した式子の乳房を鷲掴みにする。乳首が指の間から剥き出されてぷるりとした乳頭をのぞかせる。その間も定家の舌と唇は式子の白く滑らかな背の喜悦の平原を責めてゆく。
「定家様、式子は……、式子は……、もう……」
官能に歌が悶え浮かぶ。
……我が袖は 潮干に見えぬ  沖の石の人こそ知らね  かわく間もなし……
かわく間もなし。式子の股間は濡れそぼって太腿がぬめるような輝きを放っていた。 
<後続九十三の歌> 

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