見出し画像

《南風を悼む》嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~四十八の歌~

《南風を悼む》 原作:源重之
南風、天保山沖
うちは一人乗りのヨットを操る
夕暮れの大阪は灯ともし頃  「きれいやなぁ.……」
左舷に打ち寄す波はくだけて消えた
ーーSHIGEYUKI、なんであないに急いで一人死ぬんよーー
うち、今、泣いてもええか?
(注)天保山=大阪市港区、安治川(あじがわ)河口の小丘。あないに=あんなに
定家「風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふ頃かな。砕ける波、砕ける心」
蓮生「風激しく、岩にうつ波がくだけ散る。哀しくなった恋の思いも、それと同じ。ただ、くだけ散るばかり」
定家「砕け散る波の激しさはつきぬ想いの激しさ」
蓮生「やんぬるかな」
※風をいたみ・・・風がはげしいので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?