嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~二十三の歌~
《Son of a gun》 原作:大江千里
酔っ払ろうて月見とったらJohn Lennonの「Across The Universe」
が聴こえたような気がしたンや。
あの歌はエエ。痛んだ心にいろんな声が囁きかけてくる・・・。
なにやらこのまま家に帰りとうのうて、千里丘の公園のベンチでくたーッてしてると関東風の野良猫が暗がりからやってきて、眼ェ光らせてこない言うんや。
「強くなくては生きていけない。優しくなくては生きている資格がない。Son of a gun.」
(注)「強くなくては生きていけない。優しくなくては生きている資格がない」=レイモンド・チャンドラー <プレイバック>より。
定家「月夜は誰しも妙な気持になるさかいね。分かるわ、なんとなくこの気持ち」
蓮生「月見れば、ちぢに物こそ かなしけれ 我が身ひとつの 秋にはあらねど……か。定家はんの言う通りやな。けど、関東風の野良猫って、なんや?」
定家「くたーッってしてた男の心の移し身と違う?」
蓮生「せやろか?」
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