NPO法人の透明性が求められます
昨今、大きな企業文化である「まぁまぁ、いいじゃないの」が、批判の対象になりつつあります。
芸能事務所、大手保険会社と中古自動車販売店……。
今まで誰もが指摘できない風潮だったところに、改善せざる得ない社会の波というものが、でてきています。
もちろん、小さな公益法人でも、同様のものが求められています。
様々な事業を請負、補助金等で成り立つ事業をやっているところはもちろん、
手弁当で運営を頑張る団体も例外ではありません。
なぜ、透明性が求められるようになった?
一番の理由は、ネット社会が発展したということでしょう。
一人ひとりがスマートフォンを持っている時代です。
街で事件が起こると、その様子がSNSでアップされて、瞬く間に世間に状況が伝わっていきます。
隠蔽しておきたいもの、都合の悪いもの。
これらは、ネット社会以前であれば、守り切ることができました。
でも、今は違います。
すぐに確認できないようなところで、不穏な煙がでてしまったら、あっという間に世間が評価しやすくなっています。
「パーパス経営」という言葉も、一時期流行りました。
パーパスとは、経営する意義を名言し、活動に落とし込んでいくことを言います。
つまり、企業であれば、継続して利益を得ることが求められるますが、それプラス、なぜその事業をしているのかを、きちんと説明できるのが「パーパス経営」なのです。
提供する商品で、どのような人が助かるのか。
子供向け駄菓子を開発することで、お小遣いで自分を幸せにする体験を得てほしい。
商品売上の一部を、公益法人に寄附して公益事業を発展させる。
などなど。
利益を得る意外に、その事業をやる意義を見える化していくのです。
そして、それを購入した人も、社会貢献できるという体験が得られることで、より企業価値が高まるという文化が育ちつつあります。
そうなのです。人は、社会のために何か行動することで、心の安全を得てきています。
それが、ネット社会が発展したことで、より行動しやすくなったのです。
だからこそ、良くないことは排除したいという気持ちから、声を上げやすくなってきている時代になったのです。
透明性を担保するためにやることリスト
公益性の高い事業をするNPO法人も、例外ではありません。
自分たちの透明性を高めるのに、何が必要なのか、ChatGPTに聞いてみました。
え……。
これらを自分たちで行うには、大きな団体で資金が潤沢にあるところじゃないとだめなのでは……。
やる気を失せてしまいますね。
でも、ポイントを抑え、自分たちが正しい情報知識を勉強することで、透明性を担保することは可能です。
ガバナンス
これは、NPO法を勉強し、自分たち団体にワークフローを落とし込むことで可能となります。
規程が形骸化しないために、継続して運用する仕組みも考えます。
財務報告の透明性
NPO法人会計基準に則った財務諸表を作ります。
ただ、報告するために作るのではなく、日々の経理が財務諸表に直結できるように、経理ワークフローを作ります。
自治体の収支報告レベルから、複式簿記による活動計算書と貸借対照表をしっかり作る経理能力を身に着けます。
コンプライアンス・法令遵守
これは、絶対ですね。
何がよくて、何がいけないのか。
理事や事務局、会員にむけて共通理解をすることが大切です。
守る法律が何なのか。まずはそこを知るところから始めましょう。
内部監査とリスク管理
これは、経理業務を統制取れるだけでも、その効果はあります。
予実管理
決裁権限
理事会運営
この3つをしっかり守っていけば、小さな公益法人なら十分に機能します。
透明なコミュニケーション
この問題は、どこの団体でも起こりうるものです。
人の集まりは、必ず派閥が生まれます。
下手すれば、理事長交代のクーデターなど起こることも……。
でも、透明なコミュニケーションをしっかり行っていれば、そのリスクを小さくすることができます。
私は、情報は必ず会員にも伝わるようにする仕組みを提案しています。
Notionを活用して、理事会議事録や事業報告を、好きなときに、会員なら誰もが閲覧できるようにしています。
また、コミュニケーションとは、一方通行ではないことを知っておきましょう。
批判、疑問、提案がなされて始めて、透明なコミュニケーションといえます。
その議論の場を、穏やかな環境で作られることも、団体運営で大切なことです。
倫理基準の設定と遵守
これは、コンプライアンス・法令遵守に通じるものがあります。
どちらかというと、守りを継続させる力をつける意味になります。
はじめは、気合い入れてきまりを作るのですが、そのうち形骸化されて、誰も守っていない状況になってしまうのが、よくある話です。
一度決めたことを、守り続けること。
守り方を、随時改善して改良していくこと。
この2点をバランスよく行っていくことになります。
そのためには、内部統制と第三者の目を取り入れることも。
自分たちの団体で、きまりを守り続ける仕組みを作って運用することに、会員全員が担っていくようにしたいものです。
専門知識を得るためにできること
これらのように、団体の透明性維持には、とてつもない労力がかかります。
普通、このような法令遵守には、それぞれの専門家がアドバイスして、サポートするのが一般的です。
しかし、小さな公益法人の場合、資金に余裕があるわけでもないので、なかなかできません。
自分たちで、勉強していくしかないのです。
そのために、行政に相談する方法があります。
行政も、相談窓口を設置しているので、アドバイスすることもできます。
しかし、自分たちの現状を一番良く知っているのは、行政の担当者でもなく、自分たちなのです。
できたら、自分たちの手で、透明性を担保された団体を運営したい!
これが、本当の気持ちなのではないでしょうか。
自分たちだけで、情報収集すると、都合のいいことしか、目に入らないため、リスクが格段にあがります。
そこで、「小さな法益法人パートナーラボ」では、
自由に質問できて、自分たちに必要なコンテンツのみセミナーを受けることができる場所として、「絆の輪」を立ち上げました。
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