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真珠問屋というところ

こんにちは。

ジュエリーToriの藤とりと申します。
オリジナルジュエリーを制作しております。

私は以前、真珠問屋に勤務しておりました。
あまりご存じない方のために簡単に説明しますと
真珠の卸売り業、
つまり宝飾店へ真珠を卸す仕事をしておりました。

BtoBですので、一般消費者への販売とは違い
仕入れに来る小売店さんに真珠を販売していました。
小売業とは違いますが、店内は明るく高級感のある内装でしたので
たまに一般の方が入店してしまうこともありました。

当然ですが、小売店さんは一般客と一緒に仕入れをしたくはありません。
なので、ほんのちょっぴりしか購入しない一般客は断っていました。

ただ、例外的に真珠専門卸でお買い物をする方もいました。

その方たちを「一般客」とよんでしまっていいものかどうか…

ほとんどのお客様は徒歩で来店されますが、
その方は黒塗りの高級車で来店、
すぐに黒いスーツ姿の男性がおり、ささっと後部座席のドアを開けます。
すっとおりてこられたのは、大使夫人、もしくは大使館の関係者。

はい、みなさま本国へお帰りになる際、日本のお土産として
真珠を購入されるのです。
それもたくさん買われていきます。

こちらも即座にご要望を伺い、たくさんの真珠をご覧いただきます。

お支払いは現金のみでしたので、100万円の束をいくつか…
何度も手作業で札を数えて、確認します。

お帰りになると、たくさんの加工をすぐに仕上げなければならず
大急ぎで真珠の糸組み、ワイヤー加工、ピアスに加工等をしました。

いろいろな国の大使夫人、というわけではなく、
決まった国の御用達の店になってました。
欧米ではなく、アラブ系でしたよ。

店の前に黒塗りの高級車が停まったあたりから
映画の世界のようで…
真珠卸というのは、面白い世界でした。

そんなエピソードや宝飾関係のことを書きたいと思います。

よろしくお願いいたします。


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