【詩】襍詩13

『思い出すとき』
思い出すってのはね
文字通り思いを出すんだ
さあ思いを出してごらん
思いを吐き出してごらんよ

『わたしへ戻る路』
涙を流すたびにわたしは
わたしになっていく
本当のわたしに戻っていく
だから涙の字の中に
戻るがあるのね

『僕たちの世界』
地上に光が降りてくるとき
夢の語り部たちは眠りにつき
覚醒めのための旅に出る
山を越え海を渡り
終焉を知らせる鐘が鳴り響く
その瞬間を迎えるまで
語り部たちは旅を続ける
語り部たちは夢を語る

『願いの円環』
僕たちは空を飛びたいと願う
それは大昔にご先祖様が
陸に上がってみたいと
願ったことの延長だろうか
いつか鳥になった僕たちは
海を泳ぎたいと願うだろうか

『ブレイクタイム』
その苦い思い出とやらを
熱い涙でドリップしてごらん
案外いい香りがするだろう？
さあそろそろ休憩しようか