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生徒の質問の大部分は、きちんと解説を読ませれば解決するという話

今日のテスト対策(中学生対象)が終わりました。
8時間くらい勉強してもらったところです。
私のやっているテスト対策指導は、教えるというより確認するというものです。
生徒に問題を解いて自己採点してもらい、私がそれを確認して次の指示を出しています。

「間違えた問題だけでいいからやり直して持ってきて。」
「とりあえず先に進んでいいよ。ここまでやったら持ってきて。」
「まずは簡単な問題だけでいいから、最後まで全部やってみて。」
「ちょっと英単語を先に覚えようか。」

こんな感じに個別に指示を出しています。

「やり直しをしてもらうけど、わからない問題があったら言って。教えるから。」

これもよく言っています。
それで、わからない問題があると、

「じゃあ解答持ってきて。」

と生徒に伝え、持ってきてくれたら該当ページを開いてもらい、

「で、どこがわからないの?」

と聞きます。すると大抵、

「この問題がわかりません。」

と、わからない問題を教えてくれるのですが、そこで、

「いや、解説のどこがわからないの?って意味。具体的にどこの説明がわからないの?1行目?2行目?」

こう聞くと、即答できる生徒はほとんどいません。
普通の中学生は、ここまで言われて初めて解説をしっかり読むのです。
そしておもしろいことに、私が1行ずつ読み上げていくとそれだけで解決してしまうことが結構あります。

「わかった?よかった。じゃあやり直してきて。」

と言うのですが、「どんだけ解説読んでないんだよ!」と、心の中で突っ込んでいますが、普通の中学生はこんなものです。
解説は全く読んでいないと思って指導するのがちょうどいいくらいです。
(優秀な生徒は最初の時点で「ここがわかりません」と、わからないところをピンポイントで聞いてきます。さすがです。)

解説を読んでいない例をもう一つ。
今日、こんな問題を扱いました。

反応した「銅」の質量を求める問題です。

(4)の問題、答えは 0.20 g になっています。
問題を読んでいただきたいのですが、「反応しないで残っている銅の質量」を答える問題です。
そして解説のところに、「反応した酸素は 1.20g - 1.00g = 0.20g」と書いてありますね。
反応した酸素の質量は 0.20 gで、これがたまたま答えと同じ数値になっています。

平均点くらいの生徒だと、結構な割合の生徒が 1.20 - 1.00 = 0.20 と、反応した酸素の質量を答えて〇にしています。
何を計算しているのかわかっておらず、数字が同じになったからそれでOKとしているわけです。
生徒の計算式をしっかり見ておかないと、間違った理解のままになってしまうので要注意です。

生徒がどんなふうに誤解するのか、どの程度の理解で問題を解き進めてしまうのか、このあたりは実際に生徒と接してみないとわからないところですね。
このあたりの感覚が研ぎ澄まされてくると、「あの先生の説明はわかりやすい」と言ってもらえます。
「いや、解説を読んでいるだけなんだけど...」と、私は思っているんですけどね。

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