見出し画像

新たな道を見つける旅: 薬学博士の就職活動

私は劣等生として、博士課程の学びの旅を歩んできました。
その過程で、アカデミアの門は私に閉ざされていることを痛感しました。
しかし、幸いにも、私は大学に残ることを強く望んでいたわけではありませんでした。むしろ、異なる可能性を模索する機会を待ち望んでいたのです。

就職活動を通じて、私は二つの道を見出しました。一つは薬剤師としての道、もう一つは企業でのキャリアです。私の優先順位は明快でした。企業でのキャリアが私の理想であり、薬剤師という選択はその次でした。この選択は、難易度や将来性など、様々な観点から考えたものでした。

過去の経験を振り返れば、私は6年間の歳月をかけて薬剤師の資格を得ると同時に、基礎研究(有機化学)に没頭してきました。

自らの人生に意味を見出すため、私は製薬企業での研究者としての道を歩もうとしていました。しかし、その願望はある種の思考停止に陥っていたのかもしれません。就職活動中は、内定を目指すことに全力を注いでいましたが入社後のビジョンが不明瞭であり、それは企業の採用担当にも見抜かれていたと思います。

そして、就職活動は私の予想をはるかに上回る難航を伴いました。周囲の同期や他大学の競争相手たちが内定を獲得していく中、私はまだ内定の札を手に入れることができずにいました。この苦境の中で、初めて私は研究職以外のキャリアも視野に入れるようになりました。自らがこうあるべきという思い込みは、視野を狭めることを痛感したのです。

結果として新たな扉が開かれました。私はGVPに関わる職に採用されました。この職務については別の機会に述べるとして、製薬会社には多様な部署があり、博士号を持つ人材が活躍できる場も多く存在することを、より多くの博士課程の学生に伝えたいと思いました。

また、働き出して感じていることもあります。

仕事の向き不向きというのは、誰にとっても難しいテーマだと思います。自分にとって最適な仕事が何かを見つけるためには、しばしば試行錯誤が必要です。また、今の仕事にどれだけ興味を持てるか、どれだけ楽しめるかというのは、やってみないとわからないことが多いです。

私は、一つの仕事を続ける中で、その仕事の中で何かしらの楽しみを見いだすことは、非常に重要だと感じています。最初はただの作業に感じても、慣れてくると小さな喜びや達成感を感じることがあります。たとえば、同僚と協力して何かを成し遂げたり、クライアントから感謝の言葉をもらったりすることで、仕事に対する視点が変わることがあります。

多くの場合、新しいことに挑戦するのを躊躇してしまいますが、新しい環境や仕事に飛び込むと、そこでの楽しみや成長の機会に出会うことがありました。最初は不安や戸惑いもありましたが、それを乗り越えると、意外な発見があるかもしれません。

結局のところ、仕事の向き不向きや楽しみを見いだす能力は、個人の経験や価値観によって大きく異なると思います。大切なのは、新しいことに対して前向きにオープンな心を持つことだと感じています。また、仕事を通じて自分が何を大切にしているのかを理解し、その価値観に基づいて選択をすることが、長期的な満足感につながるのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?