エッセイの魅力。フィルターを外して、新しい人との出会いを楽しむ。
最近図書館が日常の中にあって、すごくいい。
アラフォーになるまで気が付かなかったけれど、図書館って素晴らしい行政サービスだよね。
実際の仕組みを正しく理解出来ているかは分からないけれど、
図書館って要は、同じ地域に住む方々が一度でも読みたいと思って、リクエストした面白い本がたくさん揃っている場所なのよね。
普通の書店ももちろん良いのだけど、ビジネスである以上、売れるであろう本ばかりが目に付くところに並べられていて、しかもお金もかかるとなると、今の自分にピッタリ合った良書との「偶然の出会い」が起こりにくい気がする。
カテゴライズ病
SNSが日常の一部になった今の時代って、どうしても人をカテゴライズしてしまう。
性別、既婚・未婚、子無し、子あり、ワーママ・専業主婦・・・など。
特にコンテンツを見るときは、無意識に作り手をカテゴライズしてしまうようになった。
作者が自分と近い属性であれば、きっと共感度が高いだろうし、
真逆の属性であれば、それはそれで自分と重ねずに気楽に楽しめるだろう・・・といった具合に、どうしてもフィルターをかけてしまう。
そのフィルターが良い意味では、自分が好むコンテンツにアクセスするための最短ルートにはなりえるのだけど、思考がどうしても狭まってしまうんだよな・・・。
・・・というのが、最近の悩みだった。
そんな中、今週ふと足を止めたコーナーで手にした一冊の本。
「明るい方へ舵を切る練習」
ネガティブ思考で、心配性な私にはピッタリなのでは?と、タイトルに惹かれた。
一田憲子さん著「明るい方へ舵を切る練習」
人は年を重ねたら、些細なことは気にならなくなり、感性も鈍っていくんだと思っていた。
実際に私も20代の頃よりは些細なことで傷つかなくなったように思う。
(と、いうか傷ついたとしてもそれをいつまでも気にしている時間と記憶力がなくなった・・・という方が正しい!笑)
だけれども、一田さんの本を読むと、
「どうしたらこの心のモヤモヤを解消できるんだろう・・・」
「物事を気にしない。明るい方に考えるにはどうしたらいいんだろう・・・」と私と同じように考え、日々葛藤している。(書き方はこうではなかったけど)
一田さんの文章は、全くくどさがないのに、すごく丁寧に綴られていて、心にすうっと入ってきた。
だから気が付くと、日々の暮らしの中での迷いや葛藤。
そしてそのすぐ隣にある喜びや幸せを、一田さんの視点を通して追体験することができていた。
世代も境遇が全く違っても、誰かの暮らしやその中での想いと自分をシンクロさせることってできるんだなぁ。
そして多分、それこそが、エッセイの魅力。
ちょっと先行く人生の先輩とお話してみたいな・・・
でも、そんな繋がりどうやったら築けるのかな・・・?と思ったら、エッセイを読んで、作者と対話してみるのもいいね。