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The Last Rose of Summerと庭の千草

   The Last Rose of Summerは,

この歌の歌詞は、愛する人を失った人の寂しい心を詠っています。
アイルランドの詩人のものです。美しいメロディーがつけられていて
日本では、『庭の千草』という歌詞で親しまれています。
   So Soon may I follow, When friendships decay,  
   And from Love’s shining Circle
   The gems drop away
あなたは、この1節をどのように訳しますか。
・・・夏が終わり、咲き乱れていたバラの花の仲間が、枯れて去り
たった1本だけ残されてしまった・・・。

     人は誰も枯れていく・・・

災害や戦争でなくても、人間は誰も枯れて去っていきます。
「死にたい!」という人がいますが、私から見ると「贅沢」です。
若くても、生きたくても、死はいつでも襲ってくるのですから・・・。

もうじき、私も行くからね」という歌詞は、
バラの花を人生に置き換えて「愛している」という切なさを伝えています。
私は、悲しみの向こう側で「生きること」を誓っていると理解します。

    『庭の千草』は素晴らしい置き換えです

この2つが同じ歌であることを知っている人は少ないかもしれません。
アイルランドの詩人が書いた名詩
           庭の千草も、虫の音も
   かれてさびしく。なりにけり。
   あゝしらぎく。嗚呼(あゝ)白菊(しらぎく)。
   ひとりおくれて。さきにけり。

ROSE」を、冬枯れの庭に咲き残る「白菊」におき換えていますね。
本来は、違和感があるはずなのに「異なる2つの花」が、融和して、
独立した美しい歌になっています。なんて素晴らしいことでしょうか。
これこそ,、高い文化の香りがする詩です・・・。
 
 四季折々の変化がある日本と比べて、
最北のアイルランドは、荒涼とした島です。
そこに咲く「バラの花」と、日本の「白菊」と同じであるはずがありません。しかし、ここでは同じ言葉の役割を果たしています・・・。

      アイルランド島の旅の想い出・・・

私は、アイルランドの土地を旅したことがあります。
貧しい島ですから、ダブリンなど大都市を離れて、
整備されていない原野に立つと、
荒涼とした世界に住む人の悲哀が伝わってきます。厳しいです。
ましてや愛する人を失った人の心は、限りなくやるせないでしょう。

     多様な人材を輩出したアイルランド

厳しい自然は、簡単に「めげない人材」を輩出してきました。
有名なケネデー元大統領も、レーガン元大統領も、先祖はアイルランドの出身です。食料危機を乗り越えるために、アメリカに移住したのです。

私が好きな「エンヤの音楽」も、アイルランドに住んだケルト系に属するので、独特の音色を持っていると言われます。

ノーベル賞詩人のイエイツの「When You Are Old(壺齋散人訳)
は、私が大好きな詩です。
  年をとってまどろみがちになったら
  暖炉のそばで この本を手に取り
  ゆっくり読みながら 思い起こしてごらん
  自分が若かった頃の瞳の耀きを
         (以下略)
この詩には。高齢者の普遍する心情があります。
私も高齢になったのでしょう・・・(苦笑)

  アイルランド出身の作家と作品を拾ってみると・・・

スフィストの「ガリバー旅行記」のイメージの背景はアイルランドですね。
温暖な地域や、アフリカでは、絶対に生まれないでしょう。

ラフカディオハーン(小泉八雲
)は、日本に来て『怪談』などの作品を残しましたが、日本の風景は、故郷に似たところがあったのでしょう。

オスカーワイルドの詩劇『サロメ』に親しんだ人もいるでしょう。
新約聖書から取ったこの物語は、
独特の異様な世界ですね。
「幸福の王子」という童話で親しんだ人もいるでしょう。

バーナードショーは、多様な才能を発揮した人物です。
彼の「ピグマリオン」は
ミュージカル化されて「My Fair Lady」として親しまれています。

今後も、アイルランド人の血は優れた作品を輩出すると思います。

“MC”というのは「~~の息子」という意味です

若い人は、マクドナルド・ハンバーガーをよく食べますね。
世界的に有名な「マクドナルド・ハンバーガー」は、アイルランド出身の人が関わっていることが判ります。

"MC"(マク)は「McDonald's」の略で、これはスコットランドとアイルランドの姓の一部で、「Mac」とも綴られます。スコットランドやアイルランドの姓には、"Mc"または"Mac"を冠するものがあり、これは「息子」や「家族」を意味します。

19世紀半ばに起こった「ジャガイモ」の危機」があって、沢山の餓死者を出しました。生活に困った人々はアメリカに移住し、政治・経済・文化の基底に大きな影響を遺しています。

アイルランド・北アイルランド・・・政治・経済の課題は深刻です。
今回は、この方面について深入りしませんが、イングランドとの争い・共存の課題は、「戦争」に繋がることなので、機会をみて書こうと思います。

この際、アイランドの地理・特に歴史について学習することを勧めます。
政治的な激しい闘争も、経済の危機もひっくるめて、今回は書きませんが
改めで書き記すとします。
やがて暑い夏がやってきて、島中に沢山のバラの花を咲かせるでしょう
 

 

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