健康維持ってどうするの?生活習慣で意識するポイントを解説
健康維持には、食事・運動・睡眠の3つをより良いものにする心掛けが必要です。睡眠不足や偏った食生活などで、生活習慣が乱れると健康維持が難しくなり、日常生活に影響を与えます。改善点を見直して規則正しい生活習慣に整えると、心身ともに健康な状態になるはずです。
本記事は、健康維持の定義を説明し、生活習慣における食事・運動・睡眠で意識するポイントを解説します。
健康維持とは
健康維持についてWHO憲章では、「肉体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定めています(※)。
つまり、体と心のどちらとも良く、なおかつ社会とも関わりがある状態が健康維持です。病気にかからないことだけが健康とは限らないといえます。
※参考:厚生労働省.「健康長寿社会の実現に向けて~健康・予防元年~」.P2
https://www.google.com/url?q=https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/dl/1-00.pdf&sa=D&source=docs&ust=1719285073997396&usg=AOvVaw2sMvIQMaPG9-5TwNyzifM7.(1951-6-26).
健康維持には力の源になる食事が必要
健康維持にはどのような食事が必要なのでしょうか?日々の食事で意識していただきたいポイントをご紹介します。
体を動かすエネルギーを確保する
エネルギーとは三大栄養素であるたんぱく質、炭水化物、脂質です。これらは、摂取することで自分のエネルギーとなる「エネルギー産生栄養素」と呼ばれます(※)。エネルギーになる栄養素の適切な確保が健康維持には欠かせません。
エネルギーは人間が正常に体を動かすために必要なもので、車でいえばガソリンです。ガソリンがなくなると走行不可能になると同様に、私たちの体もエネルギーが足りないと体を動かせなくなります。
参考:厚生労働省「エネルギー産生栄養素」.
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-013.html
(2019-6-12).
栄養バランスの良い食事をとる
栄養バランスの良い食事は健康維持にも繋がります。先ほど、三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質をご紹介しましたが、ここにビタミン、ミネラルを足した五大栄養素と呼ばれる栄養源が生命維持に必要なものです。五大栄養素を毎日の食事に取り入れることで栄養バランスが整い、健康的な生活が送れます(※)。
栄養バランスを良くするには、特定の食材のみを食べ続けるのは禁物です。さまざまな食材が組み合わさるように主食、主菜、副菜を基本とし、なおかつエネルギー産生栄養素バランス(PFCバランス)による栄養素の量を意識しましょう。
栄養素の量は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、次のように記載されています。
・たんぱく質:13~20%
・脂質:20~30%
・炭水化物:50~65%
この数値によって境界を明確にしているのではなく、あくまで目安です。
その上で、たんぱく質は妊娠中や授乳中の方は下の値に近づかないように注意します。また、食物繊維の不足を避けるため、炭水化物で補うことが必要です。脂質は飽和脂肪酸だけではなく必須脂肪酸を摂取し、脂肪の質が低下するのを防ぎましょう(※)
。
参考:厚生労働省.「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(P5.6.7)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083872.pdf..(2020.1.21).
健康維持に必要な運動の習慣化
日々の生活に軽めの運動を取り入れるのもポイントです。運動不足で肥満になると、骨や筋肉、神経をはじめとする体を動かすのに必要な器官に問題が生じ、体が動かしづらくなります。この状態をロコモティブシンドロームといい、そのままにすると寝たきりになるリスクが高まります(※)。
寝たきりになると、生活の質が低下し心身の健康維持が困難になるため、下記のように生活の中でできる取り組みを増やしましょう。
・1駅分歩く
・自転車通勤する
・エレベーターやエレベーターではなく階段を使う
・買い物は歩いていく
・ながら筋トレやストレッチをする
・掃除をこまめにする(※)
上記のような軽めの運動に慣れたら、次は運動の強度をアップしましょう。健康維持におすすめの運動は有酸素運動の「ウオーキング」です。手軽に始められ、ペース配分も自分でコントロールしやすいため、体を動かすのが苦手な方でも始めやすいはずです。
運動を習慣化することで、筋肉がつき脂肪が燃えやすくなり、肥満解消の効果があります。また、生活習慣病である高血圧や糖尿病の予防や改善にも効果的です(※)。
厚生労働省のアクティブガイドでは、「今より10分多く体を動かそう」を合言葉に、自分に必要なアクションに気付くためのツールが示されています。今の身体活動のままでよいかをチェックできますので、ぜひご活用ください(※)。
参考:全国健康保険協会.「【運動】今日から始めませんか?+10分の運動」.
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat450/sb4501/p001/
参考:厚生労働省.「アクティブガイド」.
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001222159.pdf.(2024-3-11).
健康維持のための良質な睡眠
質の良い睡眠を解説する前に、睡眠の仕組みを説明します。睡眠には、全身の筋肉が緩み、エネルギー消費が少なくなって体を休める「レム睡眠」と、日中に使った大脳を休養させ深い眠りになる「ノンレム睡眠」があります。眠りにつくと、始めにノンレム睡眠になり次第にレム睡眠へうつります。質の良い睡眠には、深い眠りである「ノンレム睡眠」へ速やかな到達、ノンレム睡眠の増加の2つが必要です。(※)
では、睡眠の質を上げるにはどうすればよいのでしょう。厚生労働省によると、次のような行動が快眠に繋がると示しています。
・規則正しい生活
・入浴は夕方が夜にする
・体内時計を整える
・昼寝をする
規則正しい生活は体内時計を整えることに繋がります。毎日同じ時間に布団に入る習慣を身に付ければ体内リズムが整い、事前に寝るための準備が体の中で行われ、スムーズに眠れます。また、快眠には入浴時間も関係があるため、寝る前の2〜3時間前に入浴を済ませるのが望ましいとされています。38度のぬるま湯で25~30分、もしくは42度の熱いお湯で約5分、半身浴が好きな方は約40度のお湯で約30分汗をかくまで浸かると、寝つきがスムーズになります。昼寝は約15分、ご高齢の方は約30分取り入れると、午後に眠くなるのを防げて元気に活動できます。
睡眠の質を上げる行動を説明しましたが、厚生労働省によると良い睡眠には十分な睡眠時間も必要であるとしています。成人の場合、一日あたりの睡眠時間は6〜8時間必要とされていますが、年代によって満足する睡眠時間が異なります。ただ、睡眠時間が7時間前後だとうつ病や生活習慣病のリスクが軽減できるという研究結果もあるため、6~8時間を基準として、自分に合った睡眠時間の確保が大切です(※)。
健康維持に睡眠は重要ですが、日本人の平均睡眠時間は50年前と比べ短くなっているのが現状です。睡眠が足りないと日中の注意力や集中力の低下、イライラしやすい、不安、疲れやすい、自信がないなど日常生活に支障をきたし、ストレスが溜まる悪循環に陥るため注意しなければいけません。
また、睡眠不足は高血圧や糖尿病、肥満といった、生活習慣病を引き起こしやすくなる報告もあります。生活習慣病は心臓の病気の原因になる動脈硬化を招く病気です。
さらに、生活習慣病は睡眠時無呼吸症候群とも深い関わりがあります。睡眠時無呼吸症候群は寝ているときに呼吸が繰り返し止まる病気で、肥満によって気道が塞がることが主な原因です。日中に眠くなってしまい、交通事故や仕事に集中できないといった弊害が生まれます。治療せずにいると、心臓や脳の病気を引き起こすため、早めに医療機関を受診しなければいけません(※)。
このように日常生活へ支障をきたす前に、規則正しい生活習慣を身に付け、質の良い睡眠をとりましょう。
参考:厚生労働省.「快眠と生活習慣」.
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
参考:厚生労働省.「眠りのメカニズム | e-ヘルスネット」.
眠りのメカニズム | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)(2023-1-23).
参考:全国健康保険協会.「【睡眠】眠りの質を高めよう」.
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat450/sb4501/p010/
参考:厚生労働省「良い睡眠の概要」.P2.
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151837.pdf,(2023-10-2).
健康維持のための食事・運動・睡眠を生活に取り入れよう
健康維持にはより良い食事・運動・睡眠がポイントです。エネルギー源になるように栄養バランスの取れた食事、日常生活における+10分の運動、充分な睡眠時間と質の良い睡眠を意識して、生活習慣を見直してみましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?