将来の話
「小説、書きなよ」
昨日の夜、母に言われた。
唐突だった。
今までその話題を避けてきたわけではないけれど、言われることもなければ自分から話すこともなかった。
受験に失敗して以来、新しい話は書いていない。
「まだ大学1年生だし、今は深く考えなくてもいいと思うけどね」
そう付け足してくれたけれど、再来年には就職を視野に入れて活動し始めなければならない歳になる。
第1志望だった大学の編入試験を受けるのか、将来何になるのか、何一つ決められていない現状は確かに自分自身でも心配になる。
かといって行動に移すことも無く、課題とバイトで充実した現状を変えたくない気持ちもある。
受験期は、本当に頑張った。
恐らく、人生で1番頑張った。
自分の意思で頑張ったのは、大学受験が初めてだった。
周りには応援してくれる友人がいて、過剰に褒めてくれる先生がいて、優秀賞に選ばれたコンテストの賞状もあった。
なにより、やる気と自信があった。
今の私にはそれらがない。
決められた教室がない大学生には居場所もなければ、担任の先生は私の名前すら知らない。
バイトが楽しくて、大量にある課題をやるのに必死で、残った時間には動画を見てゲームをした。
母も気になっていたのだ。
受験期は必死にしがみついて書いていた小説を、パタリと書かなくなった。
やる気がないなら編入試験は受けさせられないと言われた。
確かにその通りである。
時間もお金もかかる受験を、何となくさせて貰えるときっと心のどこかで思っていた。
辻仁成先生は、毎日朝晩に3000字程の日記を書いているらしい。
成功する人には、絶対にそれ以上の努力がある。
これからはちゃんと小説を書こう。
昨年の4月〜9月頃までかな。
大学受験にむけて書いた作文や小論文、エントリーシートの紙たち。
これは捨てられない、、。
凜
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