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【母はグループホームへ】認知症伴走型支援へ。相談員さんの言葉に安堵。もう少し見守ろう

これまでのお話〜母をグループホームへ入居させるも、不安と罪悪感にさいなまれる

認知症の母(80代)を別居で介護中の娘さん(50代)。
母から「昭和の価値観攻撃」を受け、自分を否定されまくった娘さんは母が嫌い。だけど、介護するしかない。

一人で頑張っていましたが、規模は小さいながらもたびたび事件を起こす母の介護に疲れた娘さんは、ある事件をきっかけに、母のグループホーム入居を決意。ケアマネさんに相談したところ、空きが見つかり、急遽入居決定!

母には「寒いからお泊まりしてね」とだけ伝えて、入居OKの返事はもらっておらず。罪悪感にさいなまれつつも、半ば強引に母を入居させたのでした。

しかし、入居翌日、歯科医への通院のため、母を送迎した娘さんは、「うちに帰ろうよ」と怯えた様子の母を見て、「もしかして、私の選択は間違いだったのだろうか?」と急に不安を感じはじめたのでした。

客観的なアドバイスがほしいと思った娘さんは、母が住んでいる認知症伴走型支援の相談員さんに電話をすることに…。

ちなみに母が暮らす自治体では、母が入居したグループホームとは、別の会社が運営しているグループホームの方が相談員を務めています。

ややこしいので、ここからは母が入居したグループホームをAホーム、相談員さんがいるグループホームをCホームとします。

「入居のタイミングでしたよ」相談員さんのひと言に涙…。

電話に出た相談員さんは明るい声で「入居したってお話は聞きましたよ。大変でしたね」といたわってくれました。それだけで、涙が出そうに。

本当にこれでよかったのか、急に不安になったことを伝え、相談の時間をとってもらうことになりました。

久々に行ったCホームの施設の一つ(グループホームだけで3ヵ所あり)。日当たりがよく、木をつかった明るい雰囲気のつくりです。

なにか行事があるのか、職員さんの笑い声が聞こえてきました。駐車場の隣には畑があり、ベーベキュー用なのかな?薪も積まれています。

本当は母にはCホームに入居してもらいたかった。だけど、私がタイミングを逃してしまった(後日書きますが、Cホーム系列のホームに空きが出た時期があったのでした)

やはり、こういう雰囲気の中で、過ごしてもらいたいな、母には…(母から解放されたい。だけど、幸せな老後を送ってほしいとは思っています)

相談員さんは、40代くらいと思われる男性です。明るく元気な印象の方。
研修中とうかがったので、手短に相談内容を伝えました。

私が相談したかったことは以下の2つでした。

①入居の話を母に伝えるべきだったのか?
母にはグループホーム入居の件は伝えず、『寒いから、あったかいところへお泊まりしよう』と言って、強引に話を進めたが、どんなに反対されても、説得できなくても、本人に「グループホーム入居=ずっとそこで暮らす(家には帰れない)」と伝えるべきだったのか? 

自宅介護に限界を感じていたので、グループホームに入れたことは、間違っていないと思っているが、今になって、罪悪感にさいなまれています。

②母を重度の認知症の方が多いグループホームに入れてよかったのだろうか?
母が入居したユニットには、重度の認知症の方が多く、母は不安を感じているようだ。母の状態だと、グループホームより認知症以外の人が多い特養のほうがよかったのか? 

私の話を「うんうん」と頷きながら聞いてくれた相談員さんは、私が話し終えると、開口一番「まず入居のタイミングですが、間違っていませんよ。入居させてよかったです。むしろ遅いくらいですよ」と言ってくれたのでした。

思わず、涙…。救われます…。

そこまで聞かなかったけど、「タイミング的に間違っていない」のは、母の状態というより、私の状態だと思います。介護者(私)の負担が大き過ぎて、「精神的に疲労している。仕事にも影響をきたしている」ということかと。だけど、専門の相談員さんにそう言ってもらえて、ホッとしました。

グループホームに慣れるまで、3ヶ月から半年はかかる

相談員さんによると、「入居して2日目は一番落ち着かないとき」なのだそうです。

「一番落ち着かない日に会ってしまったんですね。人にもよりますが、2、3日すれば、もう少し落ち着くと思いますよ」

そう言われて、またホッとする。

相談員さんによると、「個人差はあるが、施設になじむまでは、だいたい3ヶ月から半年かかる」とのこと。

また、自宅介護からグループホームへ入居する場合は、老健や病院からグループホームへ入居する人にくらべて、慣れるまで時間がかかる傾向にあるそう。

相談員さんは続けて、
「最初は皆さん、自宅に帰りたがって、面会に来られたご家族と一緒に帰ろうとしたり、施設の職員に『家族はいつ迎えに来るんだ』と尋ねたりしますが、施設で暮らすうち、そこが自分の場所だと思うようになっていきます

そうなんだ。

「そのうち自宅へ戻っても落ち着かなくなり、『早く(施設へ)帰りたい』と言うようになりますよ」

そういえばと、 ケアマネさんの言葉を思い出す。
「やしのみさんのお母さんは、自宅への愛着が強いからわかりませんが、ほとんどの方がご自宅のことは忘れてしまいますよ」って。

それは、そうなってほしいような、なったらなったで寂しいような。

母が施設に慣れてきた頃、入居をすすめてみる

相談員さんのアドバイスは続く。

「お母さんを説得すべきだったかどうかですが、納得して入居する方はまずいません。ほとんどの方が、ご家族になだめられながらしぶしぶ入居します。ご本人が『入りたくない』と言っていても、家族が強引に連れてくる場合も多いです。ご本人に何も伝えず、ご家族と施設で話を進めるケースも結構ありますよ」

やっぱりうちと同様のケース、結構あるんだ。

「面会以外に病院のつきそいなどで、できれば1週間に一度は、お母さんに会ってあげてください。3ヶ月くらい経って、お母さんが施設になじんだ頃、『これからも、ここ(施設)で暮らそうか』と切り出してみたらどうでしょう?」

相談員さんのアドバイスを聞いて、素直に「あ、そうしよう!」と思った。
馴染んだ頃なら、母も「ここもいいね」と言ってくれるかもしれない。もし、そうならなかった場合は、「そうなんだー。だけど、もう少しいようね」とか、そういう感じかな? 施設の方にも相談してみよう。

それまでは、できるだけつきそってあげよう。Aホームさんの面会は月1回。だけど、通院につきそったり、さしいれしたりして、短時間でもできるだけ会うことにする。

「そうすることにします」と伝えると、相談員さんは「1週間に一回、会うのは大変だと思いますが、頑張ってください」と励ましてくれました。

どうしても馴染めない場合は「住み替え」という選択も

また、ざっくばらんに「本当はCホームさんに入居させたかったんです」と話したところ、どうしてもAホームになじめなかった場合は、「住み替え」という選択もできると教えていただきました。

「住み替え」とは、介護施設を変えること。

母がAホームになじまない場合など、Cホームをはじめとするその他の施設へ移ることも可能だそう。

「お母さんのようにお元気だった方が、数ヶ月経っても『あきらかに以前より元気がなくなっている』という場合は、『住み替え』を考えてもいいかもしれません。実際、施設を変えてから、認知症の症状が軽くなったり、明るくなったりする方もいます」と相談員さん。

相談員さんによると、母はCホームのデイサービスでも、他の利用者さんに積極的に声をかけていたそう(話は通じていなかったようだが)。

「グループホームには重度の認知症患者さんも入居されているので、お母さんは『自分が来るところじゃない。こんなところにいたくない』と感じたんでしょう」

それを聞いて反省しました。コロナ禍や忙しさもありましたが、ホームページをチェックした程度で済ませず、もう少し真剣にグループホームや特養を見学し、施設の方ともお話して、方針や雰囲気を確認しておくべきでした。

今後は「住み替え」も視野に入れ、Cホームに出していた申込書は、そのままにしていただくことに。ショートステイで利用していた特養にも申し込んだままにしておこう(あちらは100人以上待ちらしいが)

不安が完全になくなったわけじゃない。だけど、相談員さんのお話をうかがって、ホッとしました。

帰り際、相談員さんに「また、相談してもいいですか?」と尋ねると、「いつでもいいですよ。メールでもいいですから」とありがたいお言葉をいただきました。

どうして、もっと早く相談にこなかったんだろう。いつでも、相談してくださいと言われてたのに。やはり視野狭窄になっていた。ひとりで頑張ろうとし過ぎていたのかもしれません。

たいせつなのは、施設の方針より、母が安心できる職員さんとの出会いかも?

今回、Cホームを見て、相談員さんとお話して、「やっぱりこちらに入居させたかったな」と思ってしまいました。

結局、私は今頃になって冷静になり、自分のことだけでなく、母のことを考えるようになったのでした。それも反省点。視野狭窄になっていたことに、母を入居させてから気付きました。

とはいえ、母がAホームになじみ、職員さんと仲良くなり、そこで自分の生きがいを見出す可能性もあるわけです。母は頑張る人だ。そして、依存度の高い人でもある。母に会う人がホームにいれば、なじむ可能性はあります。

そういう意味では、大切なのは、「母自身が『この人は、自分を大切にしてくれている』と感じられる職員さんの存在」だったりする。施設の方針とか雰囲気とか言ってるのは、娘さんだけなのでした。

Aホームさんとは、来週8日(水)、打ち合わせの予定。そこで、施設のケアマネさんから介護プランを提案してもらうことになっています。

通院については、2、3月だけでも、できるだけ私がつきそうようにしよう。4月からは県外の仕事が多くなるので、難しいと思うけど。

ふと、ケアマネをしている友人の存在を思い出す

その後、娘さんは、ふと、高校時代の友人の存在を思い出したのでした。

確か彼女は福祉関係の仕事をしていて、ケアマネになっていたはず。彼女にも相談してみようか。

「グループホーム入居のタイミングだった」と相談員さんは言った。
だけど、母の症状は他の認知症患者さんにくらべると軽いほうである。
もしかしたら、Aホーム、Cホームに限らず、グループホームではなく、特養のほうが母にはあっていたのか? 

ケアマネをしている彼女は、とても冷静な人である。彼女はAホームをどう評価しているのだろうか?

早速スマホで電話番号を検索し、メッセージを送る。
手短に状況を説明して、「今も福祉関係の仕事をしているのなら、一度話を聞いてほしい」とお願いしたところ、なんと「今年の5月に自分の事務所を構えるよ」と返信が……! 

早速、2月6日(月)に会う約束をしたのでした(明日!)

そのほか、ここ数日の間に、いろいろな動きがあり、出会いがあり、思わぬ話がありました。明日から少しずつ書いていきます。


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