フィクションの現実性(とかいう大仰なタイトル)

原作つきの実写化が非常に多い映像作品界、もとい日本ドラマ界だけど、ドラマに関するネットニュースを見てみるとこんな文章をよく見かける。

「漫画やアニメなら違和感無いんだけど、実写でやられると描写の粗さが気になる」

分かりやすいように直近の具体例を挙げよう。
『フェルマーの料理』では主要人物が帽子もつけずに調理場にいることに某ニュースサイトが違和感を書きたて、
『プロミス・シンデレラ』ではとあるブロガーが感想で「離婚されてスリにあっただけでホームレス同然になる」のは「漫画原作故の非現実的な設定」だと述べ……
オリジナル作品だと『TOKYO MER』ではガスマスクもつけずに有毒な現場に突っ込む主人公達に総ツッコミが入り……

要するに「実写作品とその他の媒体の作品で展開に求められるリアリティーの度合いが違うのは何故か」という問題です。

もちろんアニメや漫画にだって展開の「整合性」すなわち伏線とか言行一致とかそういう技量は求められる。でもドラマだとそれに加えて急にリアリティーについて追及しだす層が現れる。正直例として挙げた3作品のうちフェルマーとMERの問題は単に役者の顔を映さないといけないから透明な・イマジナリーなコック帽やガスマスクを装置してるっていう解釈で良いと思うんだけど……

閑話休題、実は自分が言いたいのは実写作品についてというより「逆になぜアニメや漫画なら多少リアリティーの無い展開・描写も許されるのか」っていう方の問題です。
ファンタジー作品ならば勿論分かる。ファンタジーというのは現実では起こせないことをフィクションの力を借りて描くことが主眼なのだから、『ドラえもん』に対して「引き出しが突然タイムマシーン乗り場になるとか浮世離れし過ぎ!」とか言い出す輩はいないでしょう。
でも、現実の日本で現実に存在しうるようなストーリーを描くのに、漫画の中なら調理場で帽子を被って無くても許されるのってなんでなんだろう……?というか本来ブログってこういう疑問への答えが書いてあって然るべきなんだけど、自分未熟だから疑問を抱く側なんだよな……。知恵袋に頼った方が良かったかな……。

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