見出し画像

警備員になったら確実に底なしのヘドロ沼にハマります

世の中、色んな仕事が「あの仕事は底辺だ」と言われていますが、その大多数は
「え?そうかな?意外とそうでもないよ?」と思えるものがほとんどです。

例えば、飲食業とかドライバー職とか作業員、その他もろもろ…

ハッキリ言って、それらは全然底辺じゃありませんから!!!

ですが、警備員だけは違う。
確実に底辺です。
底辺の中でも別格の、レジェンド級の底辺です。

一度でも警備会社に就職したら最後、そこで人生終了のゴングが鳴って、あとは消化試合みたいな、生ける屍みたいな余生を送るのみとなります。

とは言ったものの、警備員の仕事が好きで
一生警備員でもいい!
むしろ警備員の自分が誇らしくすらあるのだ!
だからオレは他の業界に転職なんてしない!

オレの人生、警備業界一筋なんじぁぁ!!

という人ならば
別に現場で働く警備員でも、警備会社の人間であっても
「あぁ…自分は底辺クソ野郎なんだ…」
と打ちひしがれる事もないでしょうから、それはそれで幸せな人生なのかもしれません。

今回はそういう人達の話ではなく

「警備会社に就職したけど警備員なんて嫌だ!」
「警備員人生から抜け出したい!」
「警備業界なんてもう嫌だ!他の業界で働きたい!」
と考える人に向けてのお話です。

結論から言いますと

一度でも警備会社に就職したら底辺ループから抜け出せない負け組人生確定です。

コレ冗談でも何でもなく、紛れもない事実なんです。

嘘だと思うなら、試しに転職活動をやってみると良いです。
警備会社を辞める気がなくても、大丈夫です。
まったく問題ありません。
(どうせ書類選考すら通らないんで)


大卒や高専卒以上じゃないと応募できないような大手有名一流企業なんかじゃなくて、専門卒や高卒でも応募可能な地元の中堅の総合商社やメーカーなどにでも、応募するだけでもいいので、とりあえずやってみたら
警備員様が世間からどのように評価されているのかよくわかります。

10社に応募しても10社から確実にお祈りメールが来ますから。

あるいは派遣会社に登録してみても良いかと思います。
全然仕事が紹介されずに何ヶ月も放置プレイされると思いますので。
自分から積極的にエントリーしたとしても、経歴に警備会社の名前がある時点で、派遣会社の社内選考にすら掛けてもらえず、エントリーを却下されて終わります。
派遣会社のコーディネーターも警備員なんかに積極的に仕事を紹介したいとは思っていません。

それくらい、警備員というのは社会的信用度が低い立場なんです。

もっと言うなら

「警備員なんて仕事をやるような人はうちの会社に来て欲しくない」
「警備員やってるような人に来られたら職場の民度が下がる」
「警備員なんかただ一日中旗振ってるだけか、突っ立ってるだけかの仕事しかできないような無能しかいないんだから、そんな人に来られても困る」

と思われているから、応募しても全社からお祈りメールが来たり、派遣会社からも相手にされないんです。
厳しいですが、それが現実。

ぼくの長い警備員人生でわかったたったひとつの事です。

前職の某大手警備会社にいた時に、転職を希望する人のうち転職に成功していたのは、第二新卒で公務員試験に合格した若い子達が大多数でした。
もっとも、彼らは警備会社に就職したと言っても公務員予備校くらいの気持ちでやっていたに過ぎず、働きながら公務員試験の勉強を頑張っていました。
公務員を目指せる年齢であればまだ警備員から抜け出す事も可能ですが
第二新卒で民間企業を目指す場合にはかなりハードルが高くなります。

そもそも前述の通り、警備会社に就職しているということは、転職活動をする上でかなり大きなマイナスポイントになります。
コレは第二新卒のカードが切れる若い人でも同じです。
そして中途採用となると、ハードルは劇的に高くなり、異業種への転職はほぼ絶望的になります。

いずれにせよ、どうして警備会社に就職してしまったのかというところをかなり突っ込まれると思います。
また、警備員はとにかくキャリア形成が非常に困難な職種ですから、ニートやブランクと同じ扱いを受けることもある事も覚悟の上です。

警備員の業務内容は特別な資格も能力も必要とせず、また、警備員が取得できる資格の数々も、国家資格とはいえ警備業界以外では全く役に立たないものでしかありませんので。

じゃあ、スキルや資格があれば良いのかというと、決してそんな簡単な話ではありません。

いくら他業種で通用するスキルや資格があっても、警備会社にいたという事実は履歴書上では大きな汚点と評価されます。
警備会社にいたという事がわかった時点で、ほぼ確実に書類選考で落とされます。
じゃあ警備会社にいた事実を職歴に書かない、となるとそれは経歴詐称になりますからだめです。
(警備会社にいた経歴が半年に満たないなら書かなくても良い場合もありますが)

それくらい、転職市場における警備員という存在は忌み嫌われるものなんです。

とはいったものの、残念ながら警備員をやってる人の大多数は、嫌々ながら警備員の仕事をしている人が多いです。
警備員なんて一生の仕事にするもんじゃないから次の仕事が決まるまでの繋ぎで、と考えているのにそのままダラダラと警備会社に居続けてしまったという人がかなり多いと思います。

本当はもっとちゃんとした仕事に就きたい
日給月給制の日雇いみたいな身分で安定しない仕事は嫌だ
ボーナスも退職金もなく、有休が取れるのは病欠の時だけなんてのは嫌だ
1日10時間を超える長時間の肉体労働で身も心もズタボロだ
そのくせ給料は人並み以下
と思いながらうんざりした毎日を過ごしている人が圧倒的多数です。

コレも結論から言いますと
繋ぎにするなら、もっとマシな仕事をした方が良かったと思いますよ。

警備会社なんかに入ったら、繋ぎどころか履歴書を汚すだけになるのて。

しかも警備員の仕事は肉体的にも精神的にも超絶ハードで、長いスパンで続けられるような仕事でないものが殆ど。

普通に考えたらわかると思いますが、一日中オフィスの受付付近や門の前で立ちっぱなしとか、外で雨風に晒されながら旗振りなんて、まともな神経の人には耐えられませんよ。
それでも短期間だけならまだしも、それを今後ずっと続けていかないといけないと考えたらゾッとするのが当たり前です。

だから、警備員以外の仕事を探す人も少なくないのですが、その大多数は転職活動中にお祈りメールの集中攻撃に打ちのめされて、心が折れて転職活動を諦めて
仕方なく嫌々警備員を続けていくしかないというのが事実です。

仮に「面接の日程を…」となった場合は、そこはブラック企業の可能性が高いです。
ですが、一日中立ちっぱなしの肉体労働がキツくてもう辛いのであれば、ブラック企業であってもオフィスワークができる仕事、少なくとも外で立ちっぱなしではない、屋根のある場所でできる仕事に転職するという選択肢もありかと。

ブラック企業と呼ばれる会社の社畜と呼ばれる人の待遇と、警備員の待遇を比較しますと、社畜の人たちの方がよっぽど、人間らしい扱いを受けていると思います。

少なくともちゃんとトイレのある場所で働けていますから。
あと、何かの罰ゲームみたいに、一日中、建物の前で立たされっぱなしなんて事もないので。

警備員は、人間扱いされないなんてレベルの待遇じゃないですよ。
そんなの生ぬるい。
リアルカイジワールドを地で行くような暮らしですよ。

でも、今日を頑張ったのに明日が来ないような、ドブ水を啜る人生ですけどね。

ブラック企業の社畜とはいえ、警備員よりは遥かに社会的地位は上だと思います。
社会的な信用度も、警備員よりはあると思います。
メーカー系であっても、商社系であっても、いずれでも「警備業」なんて会社で働く人間と比べたらはるかにマシな扱いを受けると思います。

職業に貴賎なし、なんてのはただの綺麗事です。
転職活動をしてみればよくわかると思います。

経歴に「警備会社」と記載がある人間と、商社系のブラック企業の社畜を比較するならば
商社系の社畜の方が、転職市場でははるかに価値も需要もあります。

警備員経験者は価値もなければ需要もない、転職市場では処分に困る産廃以下の扱いです。

だから、警備員になろうと思うなら充分に考えて、しっかりと覚悟を決めた方がいいですね。

もう二度と、人間らしい暮らしはできないというか、人間である事を棄てて生きていく覚悟が必要です。

しかし、警備業界から抜け出ようと思わなければ、まあなんとか生きていく事はできます。
ヘドロ沼であっても、生温かくて気持ちいいと感じる働き先もあります。

どうせ警備員になった時点で、もう人生堕ちるところまで堕ちたんですから
気に入らない会社だったら秒で辞めたらいいんです。
で、居心地の良さそうな警備会社を探し回ればいいんです。
警備会社なんて星の数だけありますし、その大多数が深刻な人手不足なんですから、
面接に来た時点で「なんとかうちの会社に!!」と面接担当が求職者にがっついてるんです。(まぁ、ぼくの会社も同じくw)

短期間で転職を繰り返すと印象が悪くなる、と言いますが、警備会社に就職した時点で既に印象は最低レベルまで悪くなってるんですからそんなのは気にしなくても良いです。
何十回転職しても、警備会社はそんなの気にしません。
ちゃんと日本語が話せれば落ちることはないです。

で、転々として運良く楽して時給が稼げる現場を見つけたら、そこにしがみつけばいいんです。
一応真面目なフリをして、でも誰も見てないところでスマホで遊んで時間潰しができる現場、なんてのに当たったら超ラッキーです。

ぼくの今の仕事で言いますと
・一晩中警備ボックスに座りっぱなし(だいたいはエアコン完備だし)
・夜勤だから深夜帯は来館者も配送のトラックなどの着車予定もなく、何もやる事がないままひたすら座りっぱなし
稀に早退者がいたりするけどほんと稀
・巡回をしたらあとは何やっててもいい
・敷地がとにかくクソほど広いのと防犯の為、夜勤の外周巡回は車で巡回だからメチャクチャ楽(日勤はチャリらしいです)
・朝は少し忙しいけど、忙しいのはラスト1時間くらいで、気がついたら日勤が交代に来てるみたいな感じ

↑こんなヌルくて美味しい現場に当たったら意地でもしがみついた方がいいですよ(笑)
警備員は基本的に立ちっぱなしですから、座り仕事メインなんて滅多にありませんから。


まぁでも、こんな暮らしを1年以上も続けたら、確かに廃人同様にはなりますねぇ。


警備員辞めますか?
それとも人間辞めますか?

なんですよ、本当にね。

だからね
「警備員なんてもう嫌だ!辞めたい!」
と考えられる人は、まともな人だと思うんです。

でも、世間様は警備員から真人間に更生しようとする人に本当に冷たいと思いますよ。

とはいえ、ごくごく稀に優良企業が
「この人…経歴に警備会社とあるけれど、PCスキルも高いし、人柄も良さそうだから試しにうちに来てもらってはどうだろうか?もし万が一だめな人だったら試用期間中にまた考えるとして…」と、目に留まる可能性もゼロではないのですけどね。

次回は、その万に一つのレアケースのお話をしたいと思います。


では、今日もご安全に!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?