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新卒で警備会社に就職してしまった!

悪いことは言いません。
なるべく早く警備会社から抜け出す事をお勧めします。

でないと、僕のように身も心も擦り減らしてズタボロになりながらも
それと引き換えに得られる対価はそれに全く見合わない僅かなもので、かつかつの暮らしをして行くような、負け組人生を歩むしかなくなります。

僕も新卒で警備会社に就職してしまいました。

今思えば、23、4歳の頃に公務員を目指す人たちと一緒に公務員への道を選んでいたら、もしかしたら僕の人生はまた違ったものになっていたのかもしれません。

ですが、若い頃の僕はそれをせずに、忙しさを言い訳に、流されるまま毎日を送っていました。

あの当時は月の休みは2日程度で、36勤務を延々と繰り返していたけど、それで得られたものは、何もありません。

警備員としてのキャリアだけ。
しかしそんなものは警備員の仕事以外では何の役にも立たないものです。

いつしか、他業界への転職も絶望的になって、もう警備員しか生きる道がないから、どんなに安い給料で苛烈な労働を強いられても、警備員しかやる事ができません。

同年代の他業界で働く人の年収と自分の年収を比較すると、あまりにもみじめで情けなくなります。

20年余り同じ会社で働いていたとしても、新卒の初任給とあまり変わらない年収。
その代わり、他の警備会社に移籍したとしても年収に開きはほぼないので、合わない会社だと思ったらとっとと辞めて他の警備会社に移籍したとしてもさほどダメージはないという身軽さもあります。
それに警備会社はどこでも人手不足ですから、業界内を転々としている人でも、よほどの素行不良でもない限りはまず不採用になる事はありません。

見方を変えればそれだけ気軽に適当な気持ちで働いていても許される業界と言えなくもありませんが。

しかし、警備業界も
それではいかん!警備員の資質の向上を!と
警備員たちの心構えを上げるような働きかけをするようになり、数年が経ちますが
結論としてはあまり芳しくはないと思います。

そりゃそうでしょう。

警備員のスキルアップ!
資質の向上!
なんて事を謳うのは良いけれど、待遇面、特に労働環境の改善や収入面でのベースアップに関しては何も施策を講じていないんですから。

昔と同じ、苛烈な労働環境とそれに見合わない低賃金なのは相変わらず。

そんな状況で
優秀な人材を!
資質の向上を!
なんて言っても、そんなのは絵に描いた餅でしかありません。
やりがい詐欺よりも酷い。

残念ながらこれは今の警備会社も同じ。
どこの警備会社でも全く同じなんです。

こんな魅力のかけらもない業界で誰が喜んで働きたいと思うよ?

最近では採用に関する業務にも少しずつ携わることが増えてきましたが
相変わらず、警備員に志望して来る人の質は昔とほとんど変わりません。

何かしらの「訳アリ」「いわくつき」な人材がほとんどです。

現役隊員や新人教育の方にも少しずつ携わっていますが
そんな人たちを相手に指導をするのは一筋縄では行きません。

今の会社は新卒採用は殆どなく、大多数が中途採用と、定年後の高齢者のアルバイトになります。

新任教育中に居眠りをする爺さんはまだマシな方で、
「俺はもともと自分で事業をやっていた」と、社長気分の抜けない偏屈者もいます。

「うちの会社にはすでに社長はいますから、新たに社長は要りませんよ。貴方はここの会社では一介のアルバイト新人警備員なんですから、そこをお間違えないように」という言葉を飲み込みながら教育をする日々です。

そんな気持ちでいざ、現場に配属となると、必ずそこの先輩隊員や隊長あたりとトラブルを起こす。

そうなると、現場に出向いて件の新人と面談を行なったり、現場の隊長から状況をヒアリングする事になりますが
元社長よりもはるかに若い、40代の隊長からは
「あの人はちょっとうちの現場では面倒見切れませんから他の隊でお引き取り願いたい」
と厄介払いを願われたり。

そうは言っても簡単に配置転換もできないのが現状で、何とか隊長を宥めながらもそこに押し込んでおくしかできない。

トラブルが原因で嫌気がさした隊員が退職、となると今度は上から
「離職率をこれ以上上げるな!」と詰められる。

胃の痛くなる毎日です。


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