見出し画像

予算0円からスタートした藍染体験工房

私のしていることは、たくさんの皆様のしていることと比べると本当に本当に弱小で、まったく参考にならないことだと思います。それでも私の周りにはそんな私のしていることでさえも「うまくいっている」と勘違いされているかたも時折いるようです。たぶん目標設定が低いとか、違うだけかもしれません…。
逆に言うと、もしかしたら目標の設定が今の自分に高すぎるかたが多いのか、あるいは目標に対してのアプローチが合ってるかどうか見直さないかたが多いのかなぁ?と思いました。
私のしていることなんて、小さなことの積み重ねでしかなくて、まず最初の目標としては「地域に受け入れられる」ということなんですから。そんなんでやっていかれるのか?と思われると思います。
でもそんな程度の目標でも「いいな」と思われるかた向けに藍染体験工房でしていたことを振り返ります。

私が現在担当している藍染体験工房は、2013年10月に館長さんが急逝されたことを機に、その後ふたりの担当者を経て2015年3月下旬から私が担当するようになりました。
私が担当したとき、これまでに使っていた藍液など材料の在庫と体験用のハンカチなどの在庫はありましたが、予算は付いていませんでした。人件費も出ません。基本人手もないです。現在もそれは同じです。ただNPOの運営施設なので、家賃や光熱費はNPO持ちです。
藍は休み休み使わなければならないので、通常4つの甕が1セットで、そうするとどれか休ませながら使うことが出来るのですが、うちの工房は素人が考えた造りなので甕が2つのみです。そのため商業的にはやっていかれないと言われています。

それに加え2015年に入ってから3ヶ月ほどほとんど休館状態でした。さらには牧禎舎には2014年からシェア工房といって中長期的にアトリエとして使用できる部屋が3部屋あるのですが、部屋はその時点でまだ1部屋しか借りられておらず、その上その1部屋の方が退去されるところでした。要はとっても閑散としていました!

私の不安要素は、いつ必要になるかタイミングが読めなかった藍の材料「すくも」の購入費でした。藍液を作る藍建(あいだて)のために必要になる材料にはうちの工房では15万円くらいはかかりそうでした。一回購入するとこの工房では3〜4甕分取れるので時間的余裕はありそうでしたが、何しろ初めてなので不安です。そんなわけで当面私の目標は藍染体験をしながら材料費15万円を蓄えることでした。

日曜日だけは必ずOPEN

これまでの藍染体験工房は火木土日の週4日オープンしていました。
私が担当になったとはいえ、住まいは都内です。それまで約17年、多くても月に1度程度行田に帰ってきていただけなので、毎週末帰る時間が取れるものか慣れないことに不安がありました。それで最初は私と、羽生市在住の私の藍染めの先生とで、交互に体験工房を開館していただくことなりました。
月に1回→2回ならなんとかなるだろう!と思ったのです。お陰様でちゃんとなんとかなりました。
毎日1回の撹拌は市内在住や在勤のNPOメンバーが担っています。現在は以前行っていた藍染めの指導者養成講座を受講してくれた方が一名、週に1度の撹拌を担当してくれています。

Blogは週1回以上は必ず更新

本職でwebデザインなどもしていることもあり、無料で利用できるblogの有効活用は必須だと感じていました。藍染体験工房には以前から使われていたblogがあったのでそれを引き継いで使用しました。
週に1回以上の更新は必須ですが、自営業の方からは「何を更新したら良いものやら」という方もいらっしゃると思います。ひどいときは私に更新してほしい、と言われることも…。
私はとにかく毎週木曜日は「今度の日曜日は開館してます」とだけ発信するようにしました。これが週1回の最低限の発信です。苦笑
でもこれだけで見た方は「あ、今も藍染体験やってるんだ」と思ってもらえます。
ただ、当時のblogを確認してみたらなんだかんだひと月に15〜32も!投稿していたようですね…。むしろ今のが週1のことがあります。苦笑
blogの頻繁な投稿のお陰か、2015年の最後の開館日には忍城おもてなし甲冑隊ののぼう様が訪れてくれました。笑
気にかけていただいてありがとうございます。

月イチWSの開催

藍染体験工房の特性上、市内での位置付けは観光スポットみたいなところがあります。
また、最初の館長さんが市役所に勤めていたこともあり、以前の体験客はその頃の後輩やお友達なども多かったのです。
行田市の市報には催し物や募集のコーナーがあるのですが、特に公益に資するものの場合は有料講座でも掲載していただけました。
「市報なら観光案内所の方にはきっと見ていただけるだろう」という思いもあり、月イチWSを企画し、毎月市報に掲載していただくようにがんばりました。まずは体験工房を案内してくださる方たちに「稼働していますよ」というPRです。月イチWSは2年半くらいつづけたようです。

人を巻き込んで

月イチWSをする際にこだわっていることがありました。自分ひとりで全てをやらないことです。できれば毎回講師を頼むことを前提にしました。
講師を頼むと講師料がかかるため「自分ひとりで全部やったら良いのに」と言われることもあったのですが、藍染体験工房としての目的は「存在を知っていただくこと」でした。何しろNPO自体は発足から11年経過していて、内部にいると市や県、業界関係者から認知が多少あるもので見誤りがちなのですが、実際には市民のみなさんにまったく認知されていませんでした。
自分ひとりでは訴求力不足なので講師が入れば少なくともふたりで発信することになり、倍です。
ただ、初回は講師なしで開催しました。初回はどのくらい人が集まるか謎なので、お試し開催です。何かやるときは自分自身でお試し開催、とってもおすすめです!

一石二鳥の販売品づくり

開館日が週に1日のみだと、ぶらっとやってきて1時間以上かかる藍染体験を急にやってみよう!という方はたまにいますが多くはないです。そこでWSを企画した際に、講師の方に作ってもらったサンプルや、定員割れした分などを販売品に回すことにしました。買い物だったら何分かでもできます。これで販売品からのマージンも少しずつ入ります。
ただグッズ作りは相変わらず手が回らず、現在に至るまでなんとかしたい課題ではあります。

楽しめるボランティアの募集

体験工房を私が開館し出して1年半以上経った頃、母屋のレンタルスペースで使っている座布団が破れてきていたので、予算が取れるタイミングで牧禎舎の座布団を染める染め物ボランティアを募集しました。日頃お世話になっているご近所の方や、初めて来られるかた、シェア工房利用者(その頃にはひとり新たに利用者が入ってくれていました)が草木染めに参加してくれました。ご近所さんが参加してくださったことが嬉しかったですね。日頃どんなことをしているのか知っていただく良い機会でした。また、市内で単身赴任されてる方が「休日はボランティアによく参加してるから」とその後も何度かボランティアお願いしています。

イベント出展

やっていて必要性を感じたのは他地域や、他団体の主催するイベントなどに出展して存在をPRすることです。イベント出展するといかにNPOや牧禎舎が知られてないかがよく分かり、そしたらもっとどうしたら良いか?考えることにも繋がります。リーフレットの必要性もそういったイベント参加を通し、ほかの団体がリーフレットを配布しているのを見て作成しました。

リーフレットといえば、埼玉県の共助イベント出展のために他団体との事前顔合わせがあった際、何かないとと思って藍染体験工房の三つ折りリーフレットを仕方なく持っていきました。そこで参加されていた他NPOの方がちゃんと自分たちのNPOの活動内容や年会費が分かるリーフレットを作られていて、これが必要だ!と思いイベント当日までに急いでNPOのリーフレットを作成したのでした。イベント当日、「いただいたリーフレットを見て、うちのNPOも必要だと思って作ったんです」とお話ししたら、「私たちは牧禎舎のリーフレットを見て三つ折りいいな、と思って、新たに三つ折りのリーフレットを作りました!」と見せてくれたのです。あぁ、活躍めまぐるしい団体はこうやって他の団体などの良いと思うところをどんどん取り入れて改善していってるんだな、と感じました。たまには出て行って、いろんな活動や団体に触れ、自分たちのことに反映していくことも当然ながら大事ですね。要はただ参加しただけでは意味ないかな、と思います。参加したからには何か自分なりに得るものをひとつでも見つけたいですね。(「自分、できてる!」という要らぬ確認以外で)

このように初年度以降、発信と、関わるひとを少しずつ増やしながら地道にコツコツやっていってます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?