見出し画像

女医になるまでの道のり②医学生の生活(前編)

こんにちは、精神科の女医、yumeです。
前回は女医になるまでの道のりとして、幼少期から医学部合格までの経過を振り返ってみました。今回は医学部受験合格後、医学部での生活について書いていきたいと思います。

医学部入学、浮かれていた時期

前回も述べましたが、私は私立医学部に推薦入試で合格しました。
地元を離れ、新たな土地での医大生活をスタートさせた私は、期待で胸を膨らませていました。

入学式が終わり、各部活の新歓(新入生歓迎会)が始まり、部活選びからのスタート。
新1年生は自分ひとりを複数人の上級生で囲まれ、もてはやされるわけです。
これまで真面目に部活と勉強しかしてこなかった私は、人生で味わったことのない”ちやほや感”を味わい、完全に浮かれていました。
医大生、楽しい!と。

でもそんな期間は長くは続きません。
新歓が終わり、いろいろ迷いましたが、私は高校まで続けてきた部活と同じ部活に入りました。
雰囲気も良かったし、ここなら先輩と上手くやれそうと思ったのです。

しかし、入部した数日後、先輩たちの熱が冷めていることに気づきました。あれ?なんか急に話しかけられなくなった・・・。

実は、もてはやされてたのは、単に各部活が新1年生の数を競っていたからでした。
行事などの準備をするのが一年生の仕事で、一年生が入ってもらわないと自分たちがが困るからなんとかしてたくさん人数を入れようとしていたのでした。
それに気づいた途端、寂しい気持ちと同時に浮かれてた自分が恥ずかしくなりました。

そして授業も始まり、ここからだんだん精神的に不調になっていくのです・・・。

甘く見ていた医学部の授業

新歓と並行して、大学の授業も始まっていました。
医学部の一年生は、語学、統計、物理、化学、生物など、いわゆる”教養科目”を勉強します。

先輩やきょうだいから聞いていた話は以下の通り。
・1年生は余裕。テストは過去問をやればいい。授業は聞かなくていい。
・2年生から解剖実習や基礎系の授業が始まりかなりきつくなる。だから1年生のうちに遊んでおくとよい。

その言葉を真に受けていた私は、
なんだ、1年生は余裕なのかー。じゃあいっか。
医大生活楽しんじゃおう!!
とか思ってしまうわけです。

もともと授業を聞くのは得意ではなく、高校までは問題集をひたすら解いてパターンを暗記していくタイプでした。

なので大学の授業を聞いてもわからないし、
結構内容は難しいけど「授業聞いても意味ないから過去問だよ!」と言われていたのもあって、全然授業聞かずにノートもとらずに物思いにふけってました。
高校までさんざん勉強してきた反動で、今年くらいは勉強したくないと思ってしまったのもあります。

最初に仲良くなった子たちは真面目な子が多かったので、一緒にいるとさぼれないな・・・。とか考えて、一人で行動するようになりました。
そんなことをしているうちに、周りは仲良いグループができあがってました。
あ、やばい。乗り遅れた。

気づいたら入学後の友達作りに失敗し、相談できる相手もいない。
それに同級生のなかには新歓をきっかけに先輩と付き合ったり、同級生どうしで付き合ったりする人もちらほらいました。
それに比べて私は彼氏づくりにも乗り遅れてる・・・。

家に帰れば一人。家族もいない。信頼できる友達もまだいない。彼氏もいない。先輩も離れていく・・・。
どうしよう。不安が募っていました。

部活も続けていましたが、なかなか高校時代のように動けない自分に焦りを感じていました。大学の部活なのでゆるくやっている人が多く、「ブランクだよ~」と先輩に軽く言われ、それまで真剣に部活をやってきた自分にとっては理解してもらえていない辛さの方が勝り、部活でも居場所がなくなっていました。

そこに期末試験の時期が近付いてきたのです。

先輩の話では、過去問を2週間前からやればいいって言っていたから、大丈夫だよね・・・。
その話を真に受けて2週間前から勉強を始めましたが・・・。

え?全然わかんないんだけど。
過去問も年によって全然違う内容になってる。
しかも覚える量、多すぎません?
これみんな本当に2週間前からやってるの?

かなり焦りました。
不安だけが募って、勉強しようと教科書を開くけど難しすぎてわからない。ノートも見せてもらったけど授業を聞いていないから理解できない。
先輩がまとめた資料を見ても、量が膨大すぎて焦るばかり。

これ、かなりやばいかもしれない。

日に日に追い詰められていきました。

そして初めての期末試験。
ボロボロでした。頭に”留年”の文字が浮かんでいました。

私立医学部の学費は、1年間で500万前後かかります。それを親が払えるかわかりません。
それだけではなく、私は地域の奨学金も借りていたため、留年したら奨学金がストップになると脅されていました。
絶対に留年できない。留年したら、私の人生終わりだ・・・。


私は今までの生活を猛反省しました。
試験の結果は、ふたを開けてみると幸いにも留年するほどの成績の悪さではなかったのですが、そこから授業は真面目に受けました。
試験前は1か月以上前から対策を始め、ひたすら何度も何度も試験範囲を繰り返し学習し、過去問も完璧にしていきました。

結果、1年生の成績は平均より上(中の上~上の下くらい)で通ることができました。

また真面目に勉強するようになってから、勉強を通じて良い友人に巡り合うことができ、精神的にも安定してきました。
部活も、勉強に余裕がでてきたことで、気持ち的にも焦らずやろうと思えました。

この1年生の経験から、私は以下のような教訓を得ました。

・先輩や友人の”大丈夫”と、自分にとっての”大丈夫”は別物である。
・自分は他の人の倍努力して初めて平均より上の成績がとれる。自分は要領の良い人間ではなく、インプット、アウトプットに人の倍、時間を要する。
・自分は、成績が平均より下回ると留年する不安が強くなるため、安心して試験に臨むために平均以上を目指して日々積み重ねておく必要がある。

本来は高校の時に自覚すべきところですが、何はともあれ1年生のときに気づくことができてよかったです。
この教訓は6年間忘れることなく努力しました。
おかげで成績はだいたい平均より上を維持してストレートで卒業、医師国家試験に合格することができたのです。

長くなったので今回はここまで。
次回は2年生以降の生活について書いていきます。

よかったらいいね!、フォローなどいただけたら励みになります。
ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?