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吾 唯 足 知


  
 父の四十九日を終えた。

 仕出し屋さんにお願いした会食のお弁当はとても好評だった。お陰様で会話もはずんだ。
 
 お弁当の掛け紙は黒色で、真ん中上に、金色の文字が印刷されていた。

 先回お世話になった仕出し屋さんに、もう一度お願いした。

 ニ度目にして、初めて目に止まった金色の文字。
 黒と金と書きながら、ああ、父は寅年生まれだったなぁ、と、今思い出した。
 法事の返礼品が、とら屋の最中と羊羹だったのも納得。(紙袋も金黒)

 
 ところで、
 何と読むのだろう。
 どんな意味だろう。

 雉 五足 真ん中に口

    五
  矢 口 隹
    疋
 
 
 

 雉(きじ)を頼りに検索してみると、
京都龍安寺のつくばいに辿り着いた。
 つくばいの、ちょうど水が溜まるところが「口」に当たる部分だった。
 

 吾、唯、足るを、知る

(われ、ただ、たるを、しる)


 父は、四十九日を経て納骨された。
 生前、父と私は関わりが少なかった(気がする)。亡くなってから、親族から聞いた話で父の人となりを改めて知ることも多かった。
 今さらだが、大事な場面では、私の気付かないところで、私に思いをかけてくれていた。
 やっと、そう、はっきりと、自覚できるようになった。
 

 忌明けのメッセージ


 父らしい遊び心を感じた。謎解きのようで。
 気づかなければ何もなかったことになる伝言が、お弁当に仕込まれていた。
 偶然だとしても、そんなふうに思い込んだ方が楽しい。
 

 WTTS

  われ、ただ、たるを、しる

 今日から、私の座右の銘。
真ん中にある「口」には要注意。

 
 話は変わるが、仕事柄、

 「漢字が苦手」
 「漢字が嫌い」
と言う子どもたちと出会うことが多い。

 テストで点数を取るための

    必須項目

    「ザ、漢字」

    「ザ、国語」

 
 まだか、もっとか、
と感じるほどの、

やらされ作業

 漢字は、強いられる作業だと勘違いされやすい。


だからこそ

味わう学び

を一緒にしたいと思っている。

 お弁当を笑顔で味わうように…。

    

    五
  矢 口 隹
    疋


 
 これと似た教材自体は沢山ある。
 あとは、遊び心を持って取り組む空気があればいい🤗
 何事もほどほどに。勉強は、やればやるほどいいと勘違いしないこと!かな。
 

  
 
 

 


 


 
 




 
 


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