記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『光る君へ』第十四話『星落ちてなお』ネタバレを含む感想記事

こちらは、大河ドラマ『光る君へ』の第十四話『星落ちてなお』の作中エピソードを箇条書きにした後に、人様の感想記事をご紹介したり、自分の妄想を書いたりしている記事となっております
ネタバレなどに配慮しておらず、視聴していて思ったこと等をもちゃもちゃ書いている記事ですので、お好みに合わせて閲覧の方をしてくださいますよう、お願いいたします


作中エピソード箇条書きコーナー

一、道長とまひろ、土御門邸で顔を合わせてしまうが、一言も交わすことはない
まひろは早々に邸を辞して、道長は家族の団らんの場に行ってしまう、しかし娘の彰子あきこの「ちちうえ」という呼びかけにも心ここにあらずの様子で、何度も呼び掛けられてようやく「ん?」と返事をする
4年前にも見られた、まひろの事で頭が占められている時の反応と同じ

二、自邸に帰ったまひろは、左大臣家からは出仕を断られたと(いうことにして)、いとさんに説明をするが、いとさんはまひろが左大臣家で粗略な扱いを受けたと思い込んで怒ってしまう、いや、怒ってくれる
まひろにしてみたら、それは余計に辛い
「許しておくれ、いとの願いに応えられず…」

三、兼家、足元がおぼつかないながらも、三人の息子らの前で出家と隠居の意志を伝える
自分が後継として選ばれてしかるべきであろう! と自信満々な道兼みちかねをよそに、長兄の道隆が後継として指名される 順当で真っ当
しかし道兼みちかねはそれに激昂し、円融帝に毒を盛るよう指示して害し、花山帝の女御を呪詛して殺した、それらのはかりごとの実行役としてずっと働き続けた、その恩に報いないのかと叫ぶが、その叫びに対して道隆は呆然とし、道長に(お前は知っていたのか?)と目線を送る
ついに道兼は「老いぼれが! とっとと死ね!」と言い残して去る
しかし兼家は意に介さず、道隆に「お前は何も知らずともよい、まっさらな道を行け」と促す

四、いとさん、為時に暇が欲しいと願い出る
この家にいても何もできず、それなのに、何も食べてなくても太ってしまう…それが居場所が無いように感じると…若干よく分からないながらも切実な、いとさんの言葉
しかし為時は「ここにおれ、ここはお前の家である」と力強く告げる やるときはやる父上

五、剃髪し坊主姿になり、よく眠っている兼家に、「みちつな~みちつな~みちつなを頼みますよ~」といつかの道綱くんプロモを思い出す台詞を唱える藤原寧子さん、みちつなくんは「母上、もうやめて」と言うが寧子さんは耳を貸さない
しかし兼家さんは 「嘆きつつ ひとり寝る夜の 明けぬ間は いかに久しき ものとかは知る」と、寧子さんの『蜻蛉日記』の一節を諳じて
「あれは良かったのう…」と、しみじみと懐かしむ
みちつなくんは「いまのなに?」

六、明子女王の兼家に対する呪詛 ★ 祭壇には兼家の扇

#かなふみ

てんにどろ ちにどろ だきに ごぞう そわか
てんにどろ ちにどろ だきに ごぞう そわか

この呪詛の漢字表記が知りたい

晴明、「星は落ちる、次なるものも長くはあるまい」と兼家と道隆の運命を暗示する
兼家、東三条邸の庭で月を眺める、にわかに月が赤く染まり、明子の呪詛の一喝が扇を吹き飛ばす
しかし明子は腹を押さえて倒れてしまう
翌朝、兼家は庭で亡くなっているところを道長に発見され、慟哭する息子に抱えられながらも、穏やかな死に顔をしているのだった

七、宣孝、兼家が亡くなったと、為時の家に知らせに来る、こっそりガッツポーズするいとさんだが、まひろと為時は複雑な表情
さらに宣孝は、御嶽詣のご利益あったのか、国司として任地に赴くことが決まったと伝える
宣孝が帰宅した後に、為時は秘かに涙を流す
「嬉しくても悲しくても、人は涙を流すし、自分が嬉しいのか悲しいのかも分からないこともある」とまひろは言う 

八、寝床に伏している明子女王 ☆
道長の子は流産してしまった
本来、父が亡くなった道長は喪に服して外出などしてはいけないのだが、それを押して見舞いに訪れてくれたこと、しかも流産とは血の穢れの場でもあるのにと、明子女王は消え入りそうな顔で遠慮をする
しきたりなど気にするな、また参る ☆ と道長は言い置いて帰る
その姿を見送る明子女王の眼差しはとても穏やかで、優しくて、これまでと違うものだった
初めて道長を見つめて、初めて恋に落ちたかのような顔

九、土御門邸に帰宅する道長、倫子ともこは見舞いに出かけた道長を労いつつ
「明子さまはまだお若いから、また子どもは出来ましょう」
「私も気張らねば…」と、道長に何かを要求してる訳ではないが、明らかなプレッシャーをかけてもいるのだった

十、道兼の家では遊女たちを集めて享楽に耽っている
正妻は娘を連れて出ていってしまう
なにもかもやる気を無くしてしまったように呆然とする道兼
一方で久しぶりの公達の集い、ここの彼らはあまり四年前と変わらない雰囲気
道隆さまにせいぜい取り入らねば、と話す斉信ただのぶ公任きんとう 父の喪にろくに服さない道兼を非難する行成ゆきなり

十一、道隆が摂政に就任して初の公卿会議の場で、息子の伊周を蔵人頭に抜擢する
(が、それを任命するのはあくまでも一条天皇)
「蔵人頭、参れ!」 ☆
摂政に就任してすぐに息子を高い地位に就けるのは、兼家もやっていたことだが、元服したての少年が天皇の側近の仕事に就くのは、あまりに前例のないこと
しかし伊周はその麗しい美貌と才覚の優れている事から宮女さん達にモテモテなのだった
とても光源氏の雰囲気を感じる

十二、一条天皇の居室では、定子、伊周、貴子も共に一条天皇を可愛がるように朗らかに遊んでおり、そこへ現れた天皇の母で皇太后の詮子あきこは厳しく不快をあらわにする
そのように、ただの子供のように振る舞ってはならない、と息子を叱り「見苦しや!」と言い捨てて去る

十三、伊周の急な昇進に苛立ちを「異常中の異常!」と何回も言ってぷんぷん怒る実資だが、新たに迎えた新妻に腹を揉まれている

十四、道隆邸、淡路から届いた鯛が食卓に上る
一応喪中のはずだが、あまり意に介していない雰囲気
それよりは伊周の(強引な)昇進を祝っている
伊周の妻を選ぶために、五年前の漢詩の会(第六回『二人の才女』参照)を模した、姫君の和歌の会を開こうと計画し、まひろとききょうが呼ばれる
道隆は「出すぎ者の」と評していた、ききょう(清少納言)だが、五年ぶりに会ったまひろとききょうは和やかに話し合い、以前とは違った雰囲気のききょうは、仲が良かった父親を亡くしていた
「生きていると悔やむことばかりですわね」

十五、たねちゃんと文字の練習をするまひろ、たねちゃんは親御さんの名前を立派に書いてみせる
たねちゃんの帰宅とすれ違いで、ききょうが遊びにやってくる
先日の和歌の会の姫君たちをボロクソにけなすききょう(向上心の無い、学識を高めようとしない退屈な姫君たち!)のけなし内容が(定子さまは違うぞ)と振りになっているのが、視聴者には分かるのが心憎い
文字の読めない人を一人でも減らしたい まひろと
宮中に女房として上がって見識を広めたい ききょう
それぞれの、お互いのこころざしを伝えあって、互いに感じ入っている 良いシーン

十六、たねちゃんが勉強に来ないので、心配したまひろが家に様子を見に行くと、たねちゃんは親に怒鳴られながら畑仕事をしていた
父親は、文字なんかいらない、俺たちの娘は一生畑を耕して死ぬと、まひろを怒鳴り付ける
「俺たちはお偉方の慰みもんじゃねえ」

十七、検非違使庁の改革を進言する道長だが、道隆はすげなく却下する
「罪人を秘かに処断している」と、直秀のことをずっと悔やんでおり、それを正したくて努力していたと分かる
しかし道隆はそんなことよりも、
「定子さまを中宮になし奉る」
「公卿たちを説得せよ」
などと無茶ばかりを言う

十七、志を叶えることが出来ないまひろと道長、久しぶりに月を見上げて、互いのことを想っているのかも知れない
一条天皇の宣言により、定子は中宮とされる

予告、石山寺参りをしているまひろとさわさん、道長のと伊周の弓比べ、きれい…!! と感動してるききょう(明らかに定子さま)

ドラマ内エピソードコーナーは以上です

ひろうすさんの絵巻が今週も凄い!

『光る君へ』記事の度にご紹介している、ひろうすさんの絵巻ですが、今週も画力が輝いていらっしゃいました

上記の箇条書きコーナーで☆と★が貼ってある箇所が、ひろうすさんの描かれているシーンになります

タイトルはいつも、いたずらがきと称されてますが
こんな高度ないたずらあるんか! と感嘆するしかない絵巻をこの度も描いて下さいました
明子女王のとびきりの見せ場の呪詛シーンから、それこそ憑き物が落ちたように穏やかな(しかし消え入りそうな儚さも伴った)表情を見せた彼女の、鮮やかな変化…明子女王を推されているひろうす絵師どのの渾身の愛情と推し心が込められた傑作です
あとさりげなく描かれてる道長の点目の表情もいいんですよね
明子女王を妻として慈しんでいる、でもそこには個人に対する愛情というよりは、(夫としてそうすべきだから)という優しい良識が込められてるように見える訳です
道長の根本的な優しさと人のよさ、誠実さからの行動で、まひろに向いていたような恋情などの執着心はそこにはない
でも、その飾り気のない優しさが明子女王の心を癒して、妻としての心を芽生えさせたのかも知れない、と感じる絵なのです

一条天皇ならぬ、一条少年のハキハキとした宣言が、実は義理の父にあたる道隆の専横を示してる怖さがあるシーンでもあることとか、おもしろ公卿の実資さねすけ実資さねすけどんって呼んでいたりと、文章のおもしろさも見逃せません!
みちつなくんと実資さねすけどんで絵本とか作ったら面白そうですよね~
ひろうす絵師どのの絵巻も、記事の文章も、ドラマのシーンを解像度を上げる(あるいは妄想を掻き立てる!)傑作揃いなのです!

うるさい感想と妄想と余談

五の、みちつなくんが『蜻蛉日記』の歌をぜんぜん知らないのは面白いのですが、せっかくの『蜻蛉日記』の内容は、ドラマ中にほとんど出てこないのでもったいないな~とも思います
『蜻蛉日記』の中にある、兼家に新しい女ができてしまって、あまり構ってもらえなくなった作者さんが、夜離れよがれがお互いに辛いですわね…と兼家の正妻である時姫さんと仲良くしようと思って手紙を出したら、馴れ馴れしくすんな、と突っぱねられたエピソードがすごく面白くて好きなのでやって欲しかったです
(道長とまひろから遠い世代のエピソードだから、取り扱われないのも分かる でもこのドラマキャストである時姫の三石琴乃さんと寧子の財前直見がバチバチするの見てみたいんです!)

ひろうすさんも描かれていた、明子女王の変化のシーンも実に良かったです
『源氏物語』で言えば【葵】での、出産後に弱ってる葵上を光君が見舞い、参内に出る彼を見送る葵上がこれまでにないたおやかな、優しい眼差しをしていた…というシーンのオマージュなのかも知れません

十二での、一条天皇と定子さまが仲睦まじいけど、実は道隆一家との癒着が激しく、専横を許している…という場面を「見苦しや!」と詮子さまは言っていたんだとも思うんですね
一条天皇を帝位に就けたのは、元々は右大臣であった兼家の画策(というか強引な謀略)があった訳ですが、そこに今は栄華を手にしている道隆は関わってないということが、詮子さまとしてはより腹立たしいはず
第四回の『五節の舞姫』で、右大臣家の手引きにより毒を盛ったと、よりによって詮子さまは円融帝に疑われて嫌われて扇を投げつけられるという暴力を振るわれたのです
でも、毒盛ることを計画したのは父親の兼家で、実行犯は道兼だった、道隆はなんもしてないのです
道隆は何もしてないくせに、詮子さまは帝から嫌われる役を押し付けられ、それから必死に守り育てた息子の一条天皇を今になって奪うようなことをされて、不快に思わないでいるなんて無理ですね
一条天皇と定子さまとの仲良しの絆は尊いのですが、わりと露骨に気持ち悪い道隆一家の専横を描いてもいるので、攻めてるな! と感じます
しかし詮子さまもぷんぷんばかりしてないで、あくまでも落ち着いて、道隆一家にばかり権力を与えるのはよろしくないと、分かりやすく言い聞かせてあげて欲しいかなと思うんですね…まだお小さい帝なのだから
でないと、ただただ純粋に仲良しな一条天皇も定子さまも、しんどくなるじゃないですか…道隆くそ兄貴への苛立ちを転化しないであげて欲しいですよ

まひろと、ききょうが、五年を隔てて仲良しになったのはうれしいです
ここにさわさんも加えて、キャッキャッして欲しいですね、文学トークもめっちゃやってほしいし、何なら一回分費やして漢文トークしてほしい、講師役がまひろとききょうで、生徒がさわさんで…陶淵明の漢詩の読み解き、枕草子で出てくる白氏文集の解説とかやって欲しいな

それにしても道隆さんが絵に描いたような総領の甚六(大事に育てられた長子はろくなものに育たない)なのが、どうにかならんかと思います
時姫さまは、息子たちの教育には残念ながら堪能ではなかったようですね 道兼もあんなことになったし

そう言えば、道兼の娘の尊子たかこも後に一条天皇に入内するはずなんですが、そのエピソードって出てくるんだろうか?
今の道兼ではとても無理そうですが

道兼は、第一回でめちゃくちゃな事をやらかした人物でしたが、可愛そうなところや、父には忠誠心が高いこと、謀略もわりとできるところ、その割に短気で人におだてられると弱かったりもするし、まひろの琵琶の音色に涙する側面もあった
すごく面白い人格で、もっといい印象も駄目な面も繰り返すように見せて欲しかった気がしますが、すっかり廃人になってしまいました
なんと言うか、このドラマって全体的に極端な攻めたキャラ立てをやってます
その割にストーリーから振り落とす時に容赦ないところが、おもしれードラマですね
直秀たちが無惨に殺されてしまった時も、ほんとどうかと思いましたが、今から思うと意外性の塊で、これはこれでいいですね(ということにしとこう)

そう言えば、いとさんが「何も食べなくても太ってしまって肩身が狭い」という理由で暇を告げるのはめちゃくちゃ面白いですね
でも、何も食べなくても太るということはない
気づかないうちに色々食べてるんだと思いました
自分は少なくともそうですね、この記事も書きながらカレー屋さんでビリヤニを食べたりしました

マトンビリヤニです

さてこちらは、いつもの鑑賞メモですが、よそのnote書き手さんの記事へのコメント下書きとか、映画を観に行った際の感想下書きもまとめて書いてあります
メモ帳の使い分けはめんどくさくてしてないのです

さねすけどんとみちつなくん
(メモでは名前まちがえてます)
ペンの調子がよろしくないページ
3分の2くらいは、前の記事の映画の内容メモです

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?