SFをおすすめする行為が、まあまあ成功したり失敗したりした話
身近な友人や家族など、読書という趣味が共通している人に、自分は幸いにして恵まれています
しかし、純文学、ノンフィクション、エッセイ、ファンタジー、ミステリ、ライトノベル、時代小説などは同好の士がいるのですが
何故かSFというジャンルだけは、身近で読んでる人がいません
何度か、どうにか布教したい小説をすすめてみた事はあるのですが、
「SFぅ~⤴️!?」 みたいなリアクションを取られてしまう事がしばしばで、うまくいったためしがないのです
SFいいのに…SF…
SFって読みつけない方にはハードルが高くて難しそうで閉鎖的…って印象を持たれてるジャンルかも知れないですが
でも個人的には、純文学、ノンフィクション、エッセイ、ファンタジー、ミステリ、ライトノベル、時代小説…
これらの作品に触れている人であれば、絶対に気に入ってもらえる、フィットする作品が必ずある、閉鎖的でなんか全くなくて、むしろ懐が深くて闇鍋みたいな、何でもアリの面白さがある! それがSFだよ! と自分は考えています
で、この記事では自分が体験した
① すすめが成功した数少ない案件
② すすめが成功したと思ったら妙な展開になった案件
の2点をご紹介したいと思います
SFを本気ですすめたい人には多分、参考にはならないですが、自分はどうにかこんな感じにやってみたですよ…という話ですので、気楽に読んで頂ければありがたいです
① 創作をしている友人に『鋼鉄都市』と『銀色の恋人』
友人に、小説を書いていて読ませてくれる、とてもありがたい人がいるのですが、ある日新作にてロボットのキャラクターを出したいという思案の過程を、LINEで相談されたりしていました
で、こいつはSF勧誘のチャンスタイムだなと思い
アイザック・アシモフの『鋼鉄都市』
タニス・リーの『銀色の恋人』
この2作をすすめてみました
『鋼鉄都市』はロボット嫌いの刑事が、超管理社会の都市の中で起きた、ありえないはずの殺人事件を、ロボットの相棒と共に捜査する話
『銀色の恋人』は恵まれた裕福な育ちをしていて、その境遇に深い閉塞感をおぼえている少女が、ひょんなことから出会った美しい男性型ロボットに恋をして駆け落ちをする話
と、要約して説明した上で
どちらもロボットと人間との濃密な関係性が主眼になっている作品だから、ロボットの取材という部分を抜きにしてもほんとに面白いから読んでほしいです!
と勧めたところ、バッチリ読んでもらえて感想の言い合いもできて、とても楽しい思いができたのでした
② 実家の母に『夏への扉』
自分の実家の母は、作家の小川洋子さんが凄く好きで、小川洋子さんがラジオのパーソナリティーをされてた番組である日、ハインラインの『夏への扉』が紹介されていたらしく
「この本持ってる?」「持ってる持ってる」
と貸し出しを頼まれて、もちろん大喜びで用意して
『夏への扉』読んだなら、一押しすれば弾みが付いて他のSFも読んでくれるんじゃないかな~
『ゲイルズバークの春を愛す』とかよろこばないかなあ~
いや日本の作家さんの方が馴染みやすいかもしれない、北村薫さんの『スキップ』とか『ターン』とかどうかなあ、いやここはむしろ自分が読みたてほやほやのケン・リュウさんの『紙の動物園』とかどうかなあ~という具合に
どの作品を次にすすめるか気が早くもそわそわしながら、母が読み終わるのを待ってました
ほどなく母より読み終わったことと、そして面白かった! と嬉しい連絡が来たので、前述の本を用意して、良かったら他にもどうだいどうだい! と鼻息あらくすすめてみたのですが
母「えぇ~、でもそれってSFじゃないの」
子「え? SFだけど…『夏への扉』が面白かったんでしょ?」
母「『夏への扉』は面白かったけどあれはSFじゃないでしょ?」
子「『夏への扉』はSFだよ!」
母「私が読めたのにSFなわけないでしょ」
子「SFだよおおおおおお! 『夏への扉』はSFで、かーちゃんはSFが面白かったんだよー!」
と、こんな会話になってしまい、まさかの
”この作品はSFなのか? SFとは何なのか“
みたいな議論(?)を母親とする顛末となったのでした
というわけで、
身近な人に本のプレゼンをするのは面白いし、うまくいかん事があってもわりと楽しいし記事のネタにもなるなあって話でした
でも『夏への扉』はSFだよ母ちゃん
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