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 桜咲く空にコントレール!

 桜咲く頃に君は傍にいない。

 忘れられないあの日のワードは、カミさんの「今どこ?」から始まりった。
 出産の為に急ぐらしく、僕は急ぎ戻ると「カップラーメン食べて!」と、カミさんの謎発言に拍子抜けして食べ終わるのを見計らって「急ぎなんだって〜」と、カミさんが言った。
 
 産婦人科に着くなりカミさんは分娩室に入り、長い様な短い様な時間が過ぎ“青ランプ”が点灯した。
 産まれた“男のコ”を看護師さんが連れてきて「お父さん、抱いて!」と、
初めて言われた言葉に、僕は?顔をしたかもしれない。
 壊れそうな君を抱いて嬉しさと共に壊れはしないかと未熟な僕は怖さを感じた。
 
 泣き止まない君を心配したり、怒ったり、言葉を話してくれたらと思ったり無理難題だね。
 幼稚園では、流行りの病気はもれなく貰ってきて、“なんて、もらい上手”と感銘を受けるくらいにね。
 君を育てたのではなく、僕が育てられたな〜!と思うくらいだよ。

 君が一つずつ歳を重ねる程に僕も歳を重ね、僕の母も歳を重ねて歳老いる。
 歳老いた母を見て“小さくなったな〜”と……。
 “ありがとう”そんな風に思える。

 哺乳ビンでミルク飲ませたり、抱っこしてお風呂に入った君が少しずつ成長し、背が高くなり僕の身長を越してしまったね。
 君の想い出は僕の中に上手にしまうから…。

 羽ばたいて行きなさい!
青い空にコントレールを残して!
  
桜咲く頃に君を見上げるから!!

 …………………… 終 ……………………
 
 

 
 
 


 




 
 


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