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たい焼き4つで。

「たい焼き作ってるから来てや!」 何通かのやり取りをしてた先輩からの一言。 先輩からの押しは強くて、メールと電話での会話は途切れることなく朝から晩まで。 正直言ってきつい。 自分はメールは一日後に返すし、電話だって用件のないうだうだした、くたくたな電話は嫌いだ。 断ろう。そう思った。 昨日は帰りが遅くなって、メイクだってしてない。 何も塗装されてない顔は、ペンキが剥がれた家みたいに汚くて見苦しい。 なのに、好意をこれだけ表面に、目の前に表されたら。 先輩の言っていたイオンモ

    • 夢の中で。

      水族館。 何も考えてないふりをするクラゲたち。 一匹の魚に恨みがあるのか、素早く追いかけ回す亀。 近づいたら餌が貰えると勘違いして口をパクパクあける金魚。 衣食住の全てが監視状態のペンギンたち。 黒い絨毯が靡くように泳ぐ大きなエイ。 はじの水槽にいる見向きもされない、名前も知らない魚。 「綺麗だね。透明だ。」 君はその魚に唯一足を止めていた。 「ね。ここ、人、来ないからずっと見てられる。」 私はその魚を見る君の横顔に惹きつけられてしまっていた。 周りのザワザワとうるさい音が

      • ただただ疲れた。夜になると死にたくなる。 やっと終わった受験勉強。 毎日毎日死にたい気持ちを殺して、嘘ついて、ギリギリ生きてきた。 その気持ちを言ったら病院に行かされるから。 そーゆーことは言ったら、思ったら、考えたらダメだから。 誰にも言えない。 この思いの吐口がない。 やっと、やっと終わってあの辛い日々から自由になれたのに。 あと、60年も生きていける気がしない。 こんな所で根を上げてるんじゃ。 みんなどうやって生きているの? この不安は何? 頭がぐるぐるする。 これはゆ

        • 4月15日

          今日、外、夏の匂い。 緑は桜を侵食中。

        たい焼き4つで。

          来たよ、東京。

          都会はみんな歩くのが早い。 田舎生まれ田舎育ちの私は歩くのが遅い。 この前、私をズカズカと抜かして行こうとしてきたサラリーマンにぶつかった。舌打ちされた。 何でこうも皆先を急ぐんだ。 まるで何かに追われているみたいに。 「東京、案内してよ。東京人でしょ?」 「東京ね、俺もそんな詳しくないよ。」 「そうなの?何で?20年も生きてんのに。」 「東京は何もないんだよ。」 え 「東京は何でもありすぎて、何もないんだよ。」

          来たよ、東京。

          3月31日

          本当に言葉にできない不安感に襲われる、この夜の時間が嫌いです。自分はよく将来のことを考えます。自分がやりたいことを優先するべきか、はたまた、大学を普通に卒業し普通に一般企業で働き安定を取るか。人生一度きりと言う言葉をよく見かけますが、それを聞いたからと言って自分の夢を追いかけようとなった人はいるのだろうか。きっと明日には皆忘れて、明日の夕飯何を食べようか考えるだろう。私もさっさと寝よう。まだこの辛い時間から逃れることができなさそうなので、枕を濡らしながら眠りにつくことに励みま

          失敗作

           今日、私はマックに行った。何日も外に出てなくて、勉強も捗らないってから。あと、時間を潰すため。 歩いて40分かかるそこは、ダウンロードした明るい曲を聴くのにはちょうど良かった。 はずなのに、 暗い私が明るい曲を聴くのに違和感があって、うるさくて、アップテンポになってく曲と反対に歩くスピードが落ちていく。 もう無理だ。そう思って一曲目のラストのサビ前でイヤホンを外した。  音楽は楽しかったし、好きだった。これが私の生きがいだった。ギターを弾く事も歌う事も隠れた名曲を探

          12/25

          君との写真を全部消す。 悲しい曲をたくさん詰めたプレイリストを開く。 数年ぶりに見たプレイリストにすでに泣きそうになる。 なんで今日なんだよ。 外はクリスマスでキラキラしていて、誰もが輝いて見える。 自分だけがその影になって、光を失ってる気がする。 悲しい曲を聴きながらキラキラした人を眺め、キラキラした街を歩いて、キラキラした思い出を消していく。 笑い声に溢れた思い出が跡形もなく消えていく。 空っぽになって暗い画面と自分が似ているように見える。 3年分の写真

          大学受験

          「一般受験する人ってコスパ悪くない? 普通に学校行って、テストの時、ちゃんと勉強していれば推薦で行けるのに。 何十万も出して塾になんて行かなくていいし、早く受験も終わって、クリスマスだって満喫できる。 それなのに、なんでやらないかなぁ。 なんで普通に学校行って点数取ることができないかなぁ。 それで、推薦組を馬鹿にするんでしょ? 一般組って本当に惨めで可哀想。」 聞こえてるよ。 自分でもなんで一般を選んだか分からないけど、時間を戻せるなら推薦を使う道を選ぶよ。

          大学受験

          取り繕う。

          朝起きて、ご飯を食べる。 顔を洗って、化粧をして、スカートに足を通して、アイロンをあたためてる間、教科書をカバンに詰めて、髪を巻く。 学校に行って女の子と話す。興味のないの女の子の会話。 全然入ってこない会話。授業とイコールで結べるだろう。 こんなおかしな毎日を送る。 他人から見たらこの日常は普通なのだろう。 こんな毎日を送って17年。 もういいだろう。取り繕うのもやめよう。 だから、今日髪を短く切るのだ。 メンズカットで予約して。

          取り繕う。

          スマホ

          電車の中で小説を読む。 ふと周りを見るとみんなみんなスマホと目を合わせている。もう、絶対離さないってくらい強い眼差しで。 スマホってモテモテだなぁ。 1人小説を読むことがこの世から浮いてるようにも見えてくる。 逆に自由になったようにも思える。みんなみんなその小さな板に取り憑かれてるようにも思える。 一回取り憑かれてたらもう、歩いていても、お風呂でも、人出会っていても、首が曲がっても、やめられない。 なんて可哀想なんだろう。 なんて惨めなんだろう。 それをスマホで

          自分のこと

          私の家には2匹犬がいる。太郎と自分だ。 寝て起きて自分を飼ってる人間に餌を用意してもらう、そんな毎日。 ずっと寝てる事しかできない。他にやりたい事も、やらなきゃいけない事も、分からず毎日を消費する。 外に出るのも、人と話すのも、漫画も、ゲームも、学校も全てが楽しくない。 隣で寝ている太郎と自分との差異が分からなくなってくる。 いや、それは太郎に失礼か。 太郎は自分と遊ぶことに喜んでいる、食事を楽しみにしている、ご主人様と寝る時の会話は微笑んで見える。 自分は犬以

          自分のこと