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欧州野球選手権2023

今春のWBCでは侍ジャパンが勝ち進む中で、1次ラウンドで対戦したチェコが大きな話題を呼びました。野球のイメージが薄い中欧にあんなチームがあることを知り、驚いた野球ファンも多いでしょう。

欧州でもオランダとイタリアはWBCにも毎回出場し、ある程度は野球のイメージある方も多いかもしれません。ですが実は他の欧州諸国でも野球はメジャーなスポーツでこそないですが、大半の国に国内リーグがあり代表チームも存在します。

この秋、そんな欧州の代表チームの頂点を決める欧州野球選手権が開催されます。いわばサッカーでいうユーロの野球版です。


欧州野球選手権とは

実はこの大会、NPBと同じくらい歴史が深く1954年から2年おきに行われており今回で37回目。そして前述のチェコが今年の開催国です。
今大会では前回大会の上位12か国+予選を勝ち抜いた4か国が加わり16か国が出場。まずは4か国×4のグループリーグに分かれ、グループリーグの上位2か国ずつ計8か国が決勝トーナメントを戦います。
16か国の詳細は次章をご参照ください。

※ちなみに今大会にあたり侍ジャパンを世界一に導いた栗山英樹監督がチェコを訪れています。

出場国紹介

【A組】

■チェコ
初出場したWBCでは、チェコ国内で侍ジャパン戦を累計84万人が視聴など盛り上がりを見せました。自国開催となる今大会はハディム監督の元、サトリアやチェルベンカ、ソガードやエスカラなどWBCでお馴染みとなったメンバーが再集結。特に注目はWBCで佐々木朗希から二塁打を放つと、今季からプレーする北米独立リーグでも好成績を残したフルプ。
欧州野球選手権で過去最高は2014年の4位ですが、東京での経験を経たメンバーで新たな歴史を作れるでしょうか。

■スペイン
中南米から移民として渡ったりルーツを持つ選手を中心に、長らく欧州2強のオランダとイタリアの背中を追ってきたスペイン。注目はレイズの有望株ランキングにも入っている19歳の遊撃手コルメナレス。
昨年のWBCは予選でチェコに敗れあと一歩で出場を逃しましたが、今回そのチェコとグループリーグで再戦です。

■ギリシャ
アメリカやカナダのギリシャ系選手を多く呼んでいるチーム。エース右腕のクルティスは欧州最高峰イタリアのリーグで好成績を残しています。
前回大会は14位ですが、過去にはアテネ五輪に向け強化していた2003年に2位になったこともあります。

オーストリア
日本人の坂梨広幸監督が2015年から指揮。直近の大会では10位前後が続いています。
今年6月にはチェコでの国際大会「プラハベースボールウィーク」にも参戦し、格上との対戦経験も積みましたが如何に。

【B組】

イタリア
長く欧州の2強としてオランダと覇権を争ってきたイタリア。ただここ4大会は王者の座をオランダに譲っており、WBCではオランダに勝利。
今大会ではWBCのようにイタリア系アメリカ人のメジャーリーガーは不在も強力なメンバー。かつてMLBや韓国でプレーしたガルシア、WBCで巨人の大勢から安打を放ったミネオなどが打線の中心となりそうです。

イギリス
今年はWBCに初出場しコロンビアには勝利、2度目となるロンドンでのMLB公式戦も盛況でイギリス野球にとって歴史的な年となりました。今大会での注目はWBCに引き続きメンバー入りしたマリナーズの超有望株フォード。
欧州野球選手権では1967年と2007年に準優勝が過去最高、WBCで経験を積んだメンバーも多く揃う今大会は如何に。

スウェーデン
北欧から唯一参戦のスウェーデン。過去には3位が2度ありますが近年は上位進出がありません。
今大会はイタリアのリーグで好成績を残す捕手バックストロムが打線の中心となりそう。

ハンガリー
昨年の予選を勝ち抜き初出場。予選では打ち勝つ試合は多かったですが、その打棒は上位国にも通用するでしょうか。
24人中15人が2000年代生まれと若いチームなのも特徴です。

【C組】

オランダ
5連覇を狙う欧州の雄は、今大会でも優勝候補筆頭と言えるでしょう。ヤンキースで正遊撃手として活躍したグレゴリウスもメンバー入り、今大会で一番の大物と言えるでしょう。
とはいえバーナディーナやマルティスなど30代後半に差し掛かったベテランが未だチームの中心におり、新たな人材も出てきて欲しいところ。

フランス
かつて吉田義男が監督を務めるなど日本と縁が深く、今大会もBCリーグの群馬や四国アイランドリーグの高知でプレーしたアンヴィ、同じくBCリーグの群馬でプレーしたブラウンがメンバー入り。
前回は16か国中15位に沈みましたが、キューバ系フランス人のマルティネス(ブリュワーズ2A)を中心にリベンジなるでしょうか。

クロアチア
前回はドイツなど破り7位。2019年の大会ではイタリアと延長までもつれる熱戦を演じるなど、ポテンシャルの高いチームです。
ベネズエラからの帰化選手である遊撃手ヘレーラは好守でチームの中心となりそう。

ウクライナ
前回大会では5大会ぶりに出場するとギリシャとスロバキアに勝利し13位。過去最高は1995年と2007年の9位です。

【D組】

イスラエル
前回大会では準優勝。今大会では過去2度のWBCと東京五輪で正捕手を務めたラバーンウェイが主将を務め、元メジャーリーガーのフィッシュマンやケリー、昨年はBCリーグの茨城でプレーした右腕シャラビもメンバー入り。
WBCではユダヤ系アメリカ人が殆どを占めるイスラエル代表ですが、今大会ではイスラエルで生まれ育った選手も一定数おり注目したいです。

ドイツ
メジャーリーガーも輩出してきたドイツですが、代表チームは大味なプレースタイルもあってか今一つの結果が続いています。今回は昨年まで3Aでプレーしていたエースのソルバックが怪我から復帰したのは好材料。
国内リーグである野球ブンデスリーガは欧州屈指のレベルの高さで、今季は元NPBの久保康友と村田透も同リーグでプレーしました。

ベルギー
1967年に優勝、準優勝も2回経験している欧州の古豪も、近年はなかなか上位に組み込めず。代表メンバーはお隣の欧州最強国オランダでプレーしている選手もいます。

スイス
ハンガリーと共に初出場。今年途中までマーリンズ1Aでプレーしていた外野手のウィリアムソンが中心か。Hideori OshimaとTakanobu Oshimaという恐らく日系の兄弟もメンバーにいるようです。

展望

4連覇中のオランダが優勝候補なのは今大会でも同様でしょう。次いでWBC出場国であるイタリアとイスラエル、開催国のチェコや上位常連のスペインが争う形となると予想しています。

視聴方法

欧州野球ソフトボール連盟の公式サイトで見れるようですが、有料で24.95€(約4000円)とちょっと掛かりますね。ただそれに見合う熱い戦いを期待したいです。
※3分程のハイライト動画はすべて無料で見れます。

https://www.baseballeurope.tv/

また英語ですが欧州野球ソフトボール連盟の公式サイトではスコア速報や各選手の成績も見れます。


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