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日向坂46の渡邉美穂さんに人生を救われた話。

今回は日向坂46の渡邉美穂さんのアイドルとしての軌跡を振り返りつつ、アイドルとして人として目標に向かって生きることの大切さを考えていきたい。

私が渡邉美穂さんを初めて知ったのは、2017年8月8日。「けやき坂追加メンバーオーディション」SHOWROOM審査の1日目だった。

オーディションの最終審査に含まれるSHOWROOM審査は8月8日から11日の計4日間行われ、1人1日1~2時間くらい配信する。オーディションの合否には関係ないらしく参加しない候補生もいたが、候補生にとってはファンという存在ができる最初の機会になる。けやき坂2期生にどんな子が入るのか、坂道ファンの中でも楽しみにしていた人は多いだろう。

1日目はサムネイルの顔写真だけを頼りに、20人以上の候補生の中から最初に見る子を決めないといけない。そこで、私もサムネイルを眺めていたところ、誰よりも笑顔で、少し日に焼けた黒髪ショートボブの子が目に止まった。きっと活気あふれる元気な子なんだろうなと思い、最初に見ることにした。

当日いよいよ、配信が始まった。しかし、緊張しているのか、私の想像とは逆に、おっとりした口調で自己紹介が始まり、両手で口を隠してかなり緊張している様子だった。そのギャップがなんとも可愛らしく、見事に釣られてしまった。

ニックネームが「キョロちゃん」に決まったのは、確か2日目の配信だった。他の候補生は、エントリーナンバーや好きな食べ物からニックネームを決めていたが、彼女はファンとのコミュニケーションのなかでニックネームを定着させていった。最初、コメント欄には様々なニックネームが飛び交っていたが、次第に「キョロちゃん」というコメントが多くなった。もし、このタイミングを待っていたとしたら、なかなか策士である。確かに、ファンに忖度しないように配慮するなら、ひとつのニックネームを一方的に決めるのではなく、コメントの流れを見て慎重に決める方がいいのかもしれない。

3日目と4日目(最終日)は朝と夜の2回も配信を行ったので、彼女はSHOWROOM審査の4日間で計6回の配信を行ったことになる。この4日間の配信で、ファンからの期待に応えようという気持ちが伝わってきた。「ツインテールが見たい」とか、「メガネかけてみて」というコメントがあればすぐにやってくれたし、たくさんの質問にできる限り答えようと頑張っていた。

しかし、すべてのコメントに応じるわけではなく「名前呼んで」というコメントにはほとんど触れていなかった。また、コメントに応じるときも「~というコメントが多かったから」と言葉を選んでいた。とにかく、ファンに忖度しないという彼女の誠実さに感心した。

4日目の最後の配信では、涙を流しながら話していたのが印象的だった。実は乃木坂3期生のオーディションも受けていて、今回のけやき坂2期生のオーディションを最後にしようと思っていたという話、高校3年生だったということもあり、進路を考えるなかで芸能界に進むことを選んだという話。期待ばかりではなく、覚悟をもってオーディションに挑んでいたことを知って、もしけやき坂に合格したら絶対応援しようと決めた。


そして2日後、、

見事オーディションに合格し、けやき坂に2期生として入ることになった。数日後、名前も公開された。

それが私の人生を救ってくれた渡邉美穂さんである。

後々になって知ったことだが、配信では頭は良くない方だと謙遜していたが、実はなかなかの進学校に通っていたらしく、小中高続けていたバスケ部でもキャプテンを務めたことがあるらしい。そのうえで、芸能界に進む道を選んだのだから、相当な憧れと覚悟をもってオーディションに挑んだのだろう。


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けやき坂に入ってからの渡邉美穂さんの活躍は凄まじいものだった。

合格してすぐ、1期生主演のドラマ「Re:mind」の欠員を埋めるため、2期生から一人だけドラマに参加できることになった。そのオーディションでは、彼女の演技力が評価され、見事その一枠を勝ち取った。

また、合格してから5カ月後の武道館ライブでは、乃木坂46「制服のマネキン」のカバーのセンターポジションを見事にやってのけた。

そんな彼女の活躍を見て、SHOWROOM審査の最終日に涙を流していた彼女とは対照的に、強さと頼もしさを感じた。

これからも彼女についていけば、きっと素晴らしい景色を見せてくれるんじゃないかと確信に変わった。


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SHOWROOM審査では、ファンからの期待に応えようという健気な姿に感銘を受けたが、活躍を追っていくうちに、周りからの期待はもちろん、自分からの期待に応えようとする気持ち、そして、その期待に応えられるだけの強さを持っていることが分かった。

彼女のブログやメッセージアプリには、目標という言葉がよく出てくる。毎年目標を立てて振り返っているのはさすがだなと思う。

どうやら彼女には叶えたい目標があって、箇条書きにして残してあるらしいが、その内容はまだ明かされていない。

彼女はよく音楽や演技の話をしているが、実際それが仕事につながっている。彼女が学生時代に聞いていたラジオ番組「SCHOOL OF LOCK」のイベントの応援ガールを務めた。

また、演技では、日向坂46が出演したドラマ「DASADA」で主演の一角を担い、今年1月には地上波のドラマ「星になりたかった君と」にヒロイン役として出演した。


彼女には有言実行という言葉がぴったりだと思う。

自分にしっかり期待して、その期待に応えようと努力している。

そんなところに憧れるし、そんな彼女だからこそ応援したいと思う。



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一方で、私のこれまでを振り替えてみると、高校時代は勉強も部活も決してうまくいったとは言えない。大学受験では、志望校のレベルまで及ばず、結局、地元の大学に進学する道を選んだ。部活では、身体的にも精神的にも全く至らなかった。いつも目標は叶わなかったし、現実には敵わなかった。

大学に入っても、大学やアルバイト先から形式的に要求される以上のことはやろうとしなかった。期待に応える以前に、自分にまったく期待しなくなっていた。自分が何をしたいかも分からないし、それを知ろうともしなかった。

大学3年生の2017年8月8日、渡邉美穂さんに出会ってすべてが変わった。彼女のように明確に自分の理想像があって、それに向かって努力している人を見てしまったら、自分も動き出さないといけないと思った。

自分にしっかり期待して、その期待に応えようと努力する、この意識が植え付けられたのは、それから1年後の彼女のブログを読んでからだった。このブログでは、けやき坂に合格したときの気持ちや1年間の活動を振り返っていた。内容まで詳しく覚えていないが、彼女がもつ自分からの期待に応える強さを見出だしたのは、このときだった。

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自分に期待するために、まず手を入れたのがアルバイト先だった。私は大学時代、ラーメン屋でアルバイトをしていたのだが、基本的に調理は社員の方しかやらせてもらえず、アルバイトの仕事は接客と洗い場だけだった。なぜラーメン屋でアルバイトしているのか、改めて考えてみると、ラーメンが好きという気持ちがあったことを思い出した。それから、店長にラーメンの調理を教えてもらい、必死に覚え、練習を重ねた。自分が作ったラーメンを、お客さんにおいしかったと褒めていただいたときはほんとうに嬉しかった。

今の自分なら、自分に期待して目標を立てることで、現実を変えることができると分かった。

いろいろ考え直してみると、大学に入ったのも、やりたい分野の研究があって、欲を言えば自分の名前で論文を残したいという気持ちがあることに気付いた。渡邉美穂さんのけやき坂に加入して1年のブログを読んだのが、大学4年生の研究室に入って半年ほど経ったときだった。それまでは、教授から要求されることだけをやって、自分がやりたい分野の研究ではなかったが、教授の期待に応えられればそれで十分だと思っていた。

そのブログを読んでから、研究の方向性をやりたい分野に大きく変えた。結果を出すまでにはかなりの課題を解決する必要があったが、自分でも驚くくらいスムーズに事が進み、1年半後の修士1年生末には論文を完成させることができた。運がよかったといえばそれまでだが、やはり自分の未来に期待し、目標に直進したことは間違いなかったように思う。

しかし、自分に期待することはメリットだけではなかった。就職活動では、自分に期待し高望みしたせいで、長期間の努力を無駄にしてしまった。渡邉美穂さんと出会っていなかったら、ただ努力を無駄にしてしまったと絶望していたかもしれない。しかし今は、渡邉美穂さんという眩しいくらいのお手本がいるので、また自分に期待することができる。

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あと少しで社会人になるわけだが、人間は周りの人間から期待されなくなったら終わりだと思う。しかし、自分が自分に期待している限りは、誰かがそれを見て期待をかけてくれると信じている。

e-karas 2021/3/26

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