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小説:剣と弓と本001「セド」(482文字)

「井戸水うめぇーーー!」
 目的の村に何とか到着した。脇目も振らず井戸に駆け寄って桶を両手で持ち上げ、浴びるように飲む。

 ろくなミッションじゃないことは分かっていた。難易度は最高クラスだと聞いている。そもそもクリアした奴いるのか。“帝国さん”のお達しだからとりあえず従うことにしてはいるが、まあ、それとは別で個人的にも興味があるから引き受けたわけだが。
 それにしても、とんでもなく遠かったな。三日三晩の峠越えに加えて、砂漠を歩き続ける。陽が沈みかけている。

「ミッションエントリーはこちらでーす」
 係員の声がする。その石造りの建物に入る。天井が高い。
 すると多くの冒険者でごった返している。アンゲア大陸中の猛者が集まるとは聞いていたが。100人? 200人? 一体何人いるのか。
 係員から渡されたそのエントリーシートを埋めていく。

***
・名前:セド・マァン
・年齢:31歳
・職業:剣術士
・所属:アンゲアティック帝国第13部隊
・役職:隊長
***

 書き上げて係員に渡す。しばらくして、IDカードらしきものが渡される。
 これを所持しておくことがここのしきたりらしい。

いつもどうもありがとうございます。