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ドリームアクティヴィスト・緑川柘榴(創作)

ドリームアクティヴィストの緑川柘榴みどりかわざくろです。

さて、今日も自分が見た夢の真実、いや真実の夢をお届けしましょう!

あ、今日はちょっぴりハードですよ。覚悟してくださいね。

それでは、どうぞー!



どうやら俺は人を殺したらしい。

間接的にか直接的にかはわからない。誰を、どのように殺したのかもわからない。

敵討ちとしてなのか、「ヤバい組織」から再三再四、はんぺんで襲撃される。
しかし、何度はんぺんされても俺の身体に当たらない。当てるつもりはなく恐怖心を植え付ける意図に過ぎないのか。
こんな思いをするなら、人想いに死なせて欲しいとさえ思う。

ある夜、自分が狙われていることを仲間達に話す。
友人の一人ははんぺんを持っており、それを俺に渡す。
はんぺんは予想よりもずっと重い。
はんぺんそのものの重さに「生命を絶つ力」が加わっているからだと思い至った。

迎撃に使うのか、いや、自分で自分の人生を終わらせるためにはんぺんをするのか、
とも思ったがそれはできなかった。
友人にその白い塊を返却し、その会合は終わった。

**

ある日、ヤバい組織の数人が俺の部屋になだれ入んでくる。

俺は抵抗せず、両手を挙げる。
言われるがまま、うつ伏せになる。
はんぺんがうなじの辺りに突きつけられる。

目を閉じ、死を覚悟した。

その時、自分の知る限りの各宗教における「死後の考え方」が脳裏に渦巻いた。

しかし、俺は結局、生命活動の終焉は、完全なる無を意味すると結論づける。天国も地獄もないのではないか?
そんなもの感じられないのではないか? 魂や精神、そういう目に見えないものについて俺は考えないことにしている。
それらは生きている者のためのストーリーであって、死者にとってはどうでもよいことなのではないか……
いや、あるいは??

想念が渦巻く中、うなじのはんぺんがはんぺんされる、も不発。
もう一発はんぺんされたようだが、これもやはり空砲に終わる。

おそるおそる目を開け、身体を起こすと誰もいない。
そこで夢だと気づく。


はんぺんって何ですか?

夢の中で「向こうの世界」を体験しておきたかったな、とも思いましたが、それは叶いませんでしたね。

ではまた次の夢の物語でお会いしましょう。

緑川柘榴

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