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小説:祈りを紙ヒコーキとして折り、桃源郷に向けて飛ばす。などの言葉の塊(483文字)

 ハンマー兄弟は桃姫の足跡を追う。彼らが主人公であってもいいのに。彼らがキノコを食べたとしてもいいのに。

 パンダの寝姿を模した粘性の雲。それを目指すシンリンオオカミの群れは、脱走兵と合流する。極めて軽微なフランケンシュタイナーの衝撃を足がかりにしてクロサイを追うモルフォチョウはヒガンバナの花言葉になる。たとえそれが、戦火の拡大を招こうとも。

 群れに見惚れながら、夕暮れは朝焼けに手を貸す。そのとき再びコマドリが美声を披露しマッシュルームラプソディーを奏でるのだ。

 祈りを紙ヒコーキとして折り、桃源郷に向けて飛ばす。それは希望の偏微分であり、幾度目かの変曲点になる。

 歴史の足跡はジョークの四つ足だった。酔い潰れた一昨日が叫ぶ。遠い目の可憐なデンマークカクタスはまた鍵穴に吸い込まれていく。いや、それは防衛行為であり、テーブルマジックで種明かしをするときのマジシャンの目つきなのだった。

 食べる=抵抗としての在り方。飲む=幽閉としての生き方。あるところのものではなくあらぬところのものは、多層膜であり剥がせない記憶に固着する。

 そう綴ってから、彼は次の街を目指した。

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