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「死刑は無力だ」|【クイズ:第1問】何のミステリー小説の帯文でしょう?
書店の店頭で、皆さんは何を決め手に小説を選びますか?
作家さんの名前? それともタイトルの響き? はたまた、カバーのインパクト重視…という方もいるかもしれません。
そんな「第一印象」のなかで、この連載ではあえて「帯文」に焦点を当てて、小説を紹介していきたいと思います。
「帯文」とは、小説の帯にあるテキストのこと。頂いた推薦文を掲載したり、「○○賞受賞!」というニュースを掲載したりすることもありますが、編集部が作品のキャッチコピーを用意して掲載していることも少なくありません。
その時々のニュースによって、帯は新しい物にかけ替えられたり、テキストの内容が変わったりすることもあるので、冒頭に挙げた決め手に比べると帯文の印象は薄いかもしれませんが、実は帯文には、特にキャッチコピー的な帯文には、作品のエッセンスが凝縮されているんです。
すなわち、クイズ形式でご紹介しても楽しんでもらえるのではと思い、この記事を作成してみました。
未読の方はどんな作品なのか思い浮かべつつ、読了済みの方は作品のことを思い出しつつ、クイズに挑戦してみてください。
…さて、この帯文に見覚えはありますか?
どなたの、どのミステリー小説か、思い当たるものはあるでしょうか?
第1問【出題】 死刑は無力だ
第1回の帯文は、
死刑は無力だ
です。
註:光文社刊行の作品からピックアップしています。また「単行本版」の帯文を出題元としました。
ヒント① 発売年は……
2014年5月。
この年に単行本が発売されたサスペンス長編です。
ヒント② 帯文のサブテキストは……
娘を殺されたら、あなたは犯人に何を望みますか。
死刑は無力だ
ヒント③ 著者は……
ずばり、東野圭吾さんです。
さあ、もう作品タイトルは頭に浮かんでいますか? それでは答えを発表します。
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【解答】
『虚ろな十字架』 東野圭吾(2014年・光文社)
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【解説】
稀代の大人気作家の社会派ミステリ。
誰もが思わず目をとめる、吸引力のあるコピーです。
「無力か?」では、きっとここまでのインパクトはなかったでしょう。
「無力だ」と言い切る潔さに、編集者の自信と覚悟がうかがえます。
新語やトリッキーな言い回しのオビも好きですが、シンプルな言葉でど真ん中を打つオビの強度には、敵わないなと思います。
(出題/編集部・吉田※他薦)
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【作品概要】
中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に死刑判決が出た後、離婚した。数年後、今度は小夜子が刺殺されるが、すぐに犯人・町村が出頭する。中原は、死刑を望む小夜子の両親の相談に乗るうち、彼女が犯罪被害者遺族の立場から死刑廃止反対を訴えていたと知る。一方、町村の娘婿である仁科史也は、離婚して町村たちと縁を切るよう母親から迫られていた―。
ご紹介したい帯文は他にもありますので、また時々出題していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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