「サイレント、幻」制作メモ
▽2021年4月頃:サビメロの原型完成
「大豆田とわ子と三人の元夫」の初回放映直後に主題歌が配信リリースされるという事で、観終えた直後である23時過ぎに急いで着替えて川沿いをランニングしながら「こんな雰囲気の曲だったはず」という記憶を頼りに幾つか浮かべたメロディをボイスメモに録音。その中のひとつが「サイレント、幻」のサビメロ原型で他には「laundry」のサビメロ原型もあった。
翌日から鍵盤で改めてなぞり直してる時にはデタラメながらもう「サイレント、幻」という歌詞と一緒に歌ってた。
▽2021年5月頃:大まかなメロディ完成
1ヶ月経っても飽きが来ず鍵盤を弾くと必ずサビメロを歌っていて、その流れで自然と次のAメロに繋がるコードを弾いているようになり、そう来るなら次はこうかなという風に全く無理のないバトン回しでワンコーラス分完成。
確かこの頃は「音楽」「Rainof○○○」の制作とかも一緒にやってたはず。
▽2022年6〜7月頃:アレンジ完成
アルバムも無事完成、ビデオ制作だったりその周辺の事もひと段落するかしないかのタイミングでずっと気にかけていたこの曲のアレンジに取り掛かり始める。
何となく「ERAM」制作時から3rdアルバムはこんな感じだったら良いなと、多分生音の比率とシリアスみもあるけど柔らかさと温かさもあるみたいなところに惹かれたのかな、まあどこにどう目指したい理由があるのかは正直まだあんまりハッキリさせられてないけど引き続き上記の2枚はリファレンスとして聴いていた。Bメロとかのドラミングに一番表れてる気がする。
「LIFE」はちょうど昨年の今頃、「laundry」制作時の地獄の25時間作業×週3〜4日みたいなに倒れそうになりながら帰ってる時にシャッフルで「ぼくらが旅に出る理由」が流れて来て。ちゃんと聴いたのが高3の頃にTSUTAYAで型落ちのアルバム買って聴いた時以来だから色んな意味で違った響き方がして、その時感じたセンチメンタルな煌き・多幸感みたいなのを入れられないかなと思って改めて聴き込んでた。
あとは何よりKinKi Kids、メロが浮かんだ段階からキンキみを勝手に感じていたから満遍なく聴き返してたけど「φ」〜「J Album」とか2000年代後半、要は自分が出会った頃の作品をさらってた記憶。あとは「A album」。収録曲のいくつかを「Highway」でもリファレンスにしていたから、なのかは分からないけど「Highway」でも使ったシンセが実はほぼほぼ全て使われていたりする。「2020の窓辺から」以降ずっと何年も使ってたしこれが自分の音色、一蓮托生のプリセットだと当時は思い込んでいたけど今年に入ってから作ってる曲にはいずれも全く使われてなかったり、やっぱりアルバムというのは区切る儀式なんだなと身を以て実感している。
まあそんなこんなで弾き語りツアーの直前くらいに大元のアレンジが完成。
▽2022年夏:歌詞完成
虫除けスプレーを軽くふって夜中に川沿いを歩きながら書くというお馴染みの過ごし方の中で書いた記憶。最初は全くうんともすんともで一面真っ白とい感じだったものの「15、6インチの」という出だしが浮かんだところからそのすぐ後には「7インチB面の」が浮かんだり、そんな調子で穴埋め問題を解いてるような感覚でスラスラと書けていった。
夏の終わり頃にはもうあらかたあったはず。
▽2022年11月:ギターREC
引越しの諸々も最低限済んでアレンジ作業の続きに取り掛かる。
新居祝いを持って来てくれたタケトモとおっかーくんにインスト版のデモを聞いてもらったリモした。
そんなこんなで歌録りとギター以外のプログラミングも全て済ませて、久々に土器さん宅へお邪魔してソロ・Cメロ箇所のギターを録音。理想ドンピシャのトレンディな音色でもう作業開始の段階から舞い上がっていた。夕方頃から始まってその日の夜には無事完了。そのままデータをエンジニアのザワさんに送る。
この時は「事件」のジャケ制作と納品をやってて、次とその次の事を考えられてる状況に健やかさを感じて充実していた思い出。
▽2023年1月:ミックス・マスタリング
「事件」リリース直後くらいからミックス作業に取り掛かってもらい1月3日にマスタリング、数日後にはジャケ含め納品。お互い「1月3日からすみませんね・・・」という文言を随所に挟みながらの作業だった。でもおかげで良い仕事初めになったし、何となく縁起が良いような気もして、改めて今年最初の曲がこれで良かったなとリリースした今もブレる事なく思っている。