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その時、ライターはやる気を無くした

最近、めちゃくちゃやる気を失った出来事があったので、紹介したい。

とあるフライヤーづくりの案件である。

そのクライアントの社長とは、長い付き合いで、制作は全面的にお任せしてくれるので、非常に仕事しやすいクライアントだった。

お任せ案件はありがたい。自分の持てる技術を尽くして、初校を出した。


しかし…今回から新しく付いた先方の担当者から、物言いが入ったのである。

キャッチコピーが不満とのことだった。

しかも、某有名元芸能人Youtuberの動画を持ち出して、「こういう意識で作って欲しい」とのご希望である。


僕は思った。
「めんどくせぇ!」と


ここでやる気は3割削られた

もちろん、修正が嫌というわけではない。
そのYoutuberの動画も見た。共感した。


しかし、今回のケースではあまり参考にならないように思った。
というより、たった10分程度の動画でキャッチコピーのすべてを網羅しているわけがない。

喋った本人だって、奥深いキャッチコピーの技術のすべてを漏れなく伝えたとは思っていないだろう。


要は、担当者が浅はかなのである。
ちょっとかじった程度の知識で意見してくるなと黙殺したいところだが、それで通るほどの立派なポジションにいないのが悔やまれる。

自分の実力と実績が足りないのを反省しつつ。真摯な気持ちで、あらためて作り、第二校臨んだ。

その第二校で、もっとひどいことが起きたのである。


残り7割も削ぎ切れた

キャッチコピーを変えた、第二校。

先方の希望を組みつつも、プロの矜持として決して迎合することなく、読み手目線も忘れずに作った。


結果は、やり直し。
しかもだ。「この文章に変えてください」とおそらくその担当者が作ったコピーが送られてきた。


これがまた、クソみたいなコピーなのである。
Youtube紹介してくれたじゃん!なんでダメな方の例そのものみたいなコピー出てくるの?不思議!

何を作って欲しいのか、僕にはわからなくなった。
そして担当者自身も、わかっていなかったのだ。

暗礁に乗り上げた瞬間である。


さ~、困った!

正直、付き合う時間がもったいない。もう一刻も早く校了にしたいぞ。
クソみたいなコピーだけど、これを受け入れてしまおうか?

しかしこれがブログ更新とか通信誌制作ならともかく、結果を求められるフライヤーづくりだ。

下手なものを納品して成果がでないと、最終的な能無しは僕ということになる。

あと、この人と今後も付き合うことになると思うと、ここで一回鼻っ柱をへし折った方がいいだろう。

今回の案件は、今後への布石だと思うことにした。

「コピーを変えるのは構いませんが、あなたの作ったこれ、ダメな例に近いように感じます。どう思われますか?」と僕から送信。

「確かに!」と彼から返信。


「良かった!わかってくれた!これで一件落着だ!」なんて思わない。奥歯をギリギリ言わせながらの「確かに!」なのかもしれない。

不穏な空気をまといつつ、舞台はいよいよ最終校へ!
まともなライターはみんな、気を遣ってるんですよ。


to be continued…







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