交換日記(9)世界の終りと始りの日記帳
交換日記。懐かしい響きだ。小学生の頃から仲の良かった友人達と、途切れ途切れながらも続けていたそれは、中学生になって勉強や部活動、新しい人間関係に忙しくなった私達の習慣から、自然と存在を消してしまった。思えばそれも一つの世界の終りと言えるのではないだろうか。
始りは、私が買った交換日記帳だった。何故、それを買ったのかは、今となっては定かではない。恐らく、当時流行っていて好きだったキャラクターが描かれていた、そんな子供らしい単純な理由だったのだろう。次の日、ちゃちな銀色の南京錠