![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79130106/rectangle_large_type_2_226d52f7abdd80423a8415097389156f.jpg?width=1200)
父性と母性
ひとは誰でも、父性と母性を併せ持てるように思える。
父性は、厳しく規律を作り、それに従うことで報酬を得るようなもの。
母性は、かぎりない優しさと水のような相互浸透で受け容れるようなもの。
どちらかだけではバランスが崩れる。
***
子供の頃は、両親から父性と母性によって守られ育まれ、成長する。
ある時、両親からの自立が必要になる。
父に反抗し、母に受け容れられないようなことをしでかす。
それを経て、父性と母性の庇護から外れる。
すると、自分は不安定になるが、そこで父性と母性を自分のうちに作るようになる。
外から父性や母性を与えてもらうのではなく、自分のうちに父性と母性を併せ持てるようになる。
これは一つの大切な神話だ。
***
それができると人間として独立する。人格が統合される。
たとえば他人に厳しくしたり、自分を追い詰めてしまう父性。
大切なひとを受け止めてあげたいと思う母性。
そういった心が、ばらばらでなくなる。
***
現代の「メンター」と「恋人」は、父性と母性に対応している。お父さんやお母さんの代わりに、それらを求める。
そうして、最終的にはメンターと恋人からも巣立つ。
心が外に頼らなくなる時、本当の意味で、ひとを愛することができる。なぜなら、お互いが自立した人間として相手を思いやれるから。
もし、相手が子供なら、親の役割もこなせるようになる。
現代は父性も母性も枯渇してきているし、なにより嫌われることのできる父性が、ほとんどどこにもないように思える。もちろん、その父性は母性も背後にあるから、本当は優しく、意義のある活動もできる父性だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?